1973年、航空機が発生させる衝撃波の騒音回避のため、自国上空での民間機の超音速飛行を禁止したアメリカ。しかし、技術革新を理由に52年ぶりにこの規則が撤回されるという。騒音問題は解決したのか? 静かな超音速機完成か!?
※本稿は2025年7月のものです
文:角田伸幸/写真:ブーム・テクノロジー、ロッキード・マーチン
初出:『ベストカー』2025年8月10日号
未来の飛行機は静かで速い!?
アメリカが、52年ぶりに民間機の超音速飛行を自国上空で解禁する方針を打ち出した。
1973年、飛行時に発生する「ソニックブーム」と呼ばれる衝撃波の騒音問題により商業飛行は禁止されてきたが、技術革新を背景にこれを撤回した形だ。背景には、次世代航空機の開発競争が激化するなか、米企業の国際競争力を強化する狙いがある。
注目されるのが、以前にもご紹介した米新興企業ブーム・スーパーソニックの開発する「オーバーチュア」。最高速度はマッハ1.7を誇り、これが就航すれば東京~シアトル間が現在の約8時間から4時間半に短縮される見込み。日本航空も出資しており、2029年の商業運航開始を目指す。
NASAとロッキード・マーチンが開発を進める「X-59」もすごい。地上での騒音を最小限に抑える設計で、実際の試験では、高度3万フィート以上を飛んだ際の地上での騒音がほぼゼロになったという。
日本でもJAXAと三菱重工業が連携し、衝撃波の評価や騒音抑制技術の開発に取り組んでいる。米国の法改正で、超音速旅客機のビジネス化が進みそうだ。









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