人生で一番焦った、そして楽しかった体験(黒木美珠)
前方を見ながら、次の指示を読み上げる。そしてその通りに、信じられないようなスピードでドライバーが操作し、クルマが正確にそのコーナーを駆け抜けていく。「楽しい!」と、思わず心の中で叫びました。
自分の言葉でクルマが動き、その通りのラインで走れた時は、頭の中で「ピコン!」と正解音が鳴るような感覚。まるで音ゲーを成功させたような快感でした。
午前中のSSをすべて無事に走り終えて、ひとまず安心。やれやれ、ひと息……と思っていたところに、ドライバーの国沢さんから「次、どっち?」の声。あ、そうだ。まだナビ役は続いているんだった。
慌ててロードブックを開き、「左です!」と指示。しかし、これが痛恨の読み間違い。次の目印まで1.3kmのはずが一向に現れず、ここで初めてミスコースに気づきルート復帰を試みたものの事故で通行止め!
仕方なく来た道を引き返すも大型観光バスが前をゆったりと制限速度以下で走行し、なかなかペースが上がりません。
リエゾン(移動区間)にも「ターゲットタイム」という目標時間があり、これを超えるとペナルティが課されます。私はもう、申し訳なさと焦りでいっぱい。
ようやく本来のコースに戻り、サービスパークに到着したのは、2分遅れ。1分につき10秒のペナルティで、合計20秒加算。心からの「本当にごめんなさい!!」が止まりません。
そして今、心の底からこう思っています。この「ラリーやってみる?」の企画、おかわり、可能でしょうか?
もう一度チャンスをいただけるなら、この悔しさを晴らして、もっと深くラリーの楽しさを味わってみたい。驚きと発見、楽しさ、そして悔しさが詰まった濃密なコ・ドラ初体験となりました。

コメント
コメントの使い方最後まで仕事を全うせずに気を抜いた結果、レースでは致命的な20秒ものペナルティ。
年下で、しかも異性相手だと叱る事さえ逆に叩かれる時代だから有耶無耶になっているけれど
本気で取り組む同性同士だったら、これからの為に激しい叱責があったはず。その分を自分自身で実行しない限り、二度目三度目は起こる