今まで日本では馴染みのなかったイギリスのメーカー、「ラディカル・モータースポーツ」。日本でワンメイクレースを開催するにあたり、サーキット専用マシン「SR3 XXR」が日本初上陸。松田秀士氏がザ・マガリガワ・クラブで試乗!!
※本稿は2025年9月のものです
文:松田秀士/写真:ラディカル・ジャパン
初出:『ベストカー』2025年10月10日号
ラディカル SR3 XXRをサーキットで試乗
ラディカルを知らない人は多いと思う。ラディカル・モータースポーツは英国にて1997年の創業以来、3000台以上のスポーツカーを製造しているメーカーだ。
現在では公道を走れるスポーツモデルは製造していないが、2026年後半から、サーキット専用マシン「SR3 XXR」のワンメイクシリーズ『ラディカル・カップ・ジャパン』を日本国内でも開催(予定)するにあたり、今回プレス向けにザ・マガリガワ・クラブで試乗会が開催された。
といっても、ドライビングできたのは国際C級ライセンス以上を所持する7名のみ。そのほかはプロドライバーによるタクシーライド。SR3 XXRは本格的なレーシングマシンなのだ。
ボクがステアリングを握ったのはシングルシーターだが、タクシーライドに使われたのは2シーターと、2種類がラインナップされている。製造は英国本土だ。
シャシーは流行りのカーボンではなくスペースパイプフレーム。これはクラッシュリペアを含めたコスト面と利便性を考慮している。しかし、ドライブした印象ではまるでカーボンコンポジットタブに乗っているかのような剛性感。
もともとラディカルはスズキの刀(カタナ・2輪)のエンジンとトランスミッションを採用していたのだが、このパワートレーンを改良しヘッドを自社開発して、トップエンド1万rpmの1.5L、4気筒NAエンジンと6速シーケンシャルトランスミッションを搭載している。
そのパワーは232hp。「なーんだ」と思うかもしれないが、車重が620kgしかないのでパワーウェイトレシオは350ps/t! これGT-R NISMO並み。
だから加速感はかなりのもの。さらに1万rpmも回せるので、超高回転域でのエグゾーストノートは官能的!
ステアリングのパドルを操作しての瞬間的なアップ&ダウンシフトが、レーシングマシンそのもののシフトフィール。センターロックの鋳造アルミホイールはF:8J×15/R:10.5J×16で、ハンコック製のレーシングタイヤを履く。
ザ・マガリガワ・クラブのコースはトリッキーだが、800mのメインストレートを全開で降りてきて6→5→4→3速まで落とすブレーキングも、600mのバックストレートから4速で飛び込む中速コーナーも、強いダウンフォースで安定感抜群。
これまでいろんなレーシングマシンでレースをしてきたボクだが、この難しいコースレイアウトをスムーズに走れるSR3 XXRは間口の広いレーシングカーだと思う。
●ラディカル SR3 XXR 主要諸元
・全長×全幅×全高:4077×1799×1093mm
・車重:620kg
・エンジン:1500cc、直4DOHC
・最高出力/最大トルク:232hp/18.6kgm
・トランスミッション:6速シーケンシャル
・燃料タンク:77L
・価格:2158万9000円












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