【4】日産 GT-R/2007年12月発売
改めて説明するまでもなく現行GT-Rは、ゴーン元日産代表が日産復活のため水野和敏さんに“ほぼ”無制限の小切手を渡して開発させたモデルである。
日産の歴史を、いや、日本車の歴史を見ても、GT-Rほど「販売台数のわりにお金かけたモデル」などない。こらもう歴代GT-Rと比べたって圧倒的だ。高く評価されているR32型スカイラインGT-Rですら、現行GT-Rと比べたらふつうのクルマに感じてしまうほど。
しかも2007年の発売以来、水野さんと田村さんが丹念に磨き続けた。特に田村さんにバトンタッチした時から、GT-R本来のポテンシャルは輝き始めたと思う。最新のGT-Rに乗ると、もはや「素晴らしい!」としか言えません。
残念ながら素晴らしい仕上がりになったGT-Rも燃費や騒音規制で絶版になってしまう。最後の恐竜を楽しみたいならぜひ乗っておくことを薦めたい。
評価は「たいへんよくできました」。私も本気で購入を考えています。
【国沢光宏】
【5】ホンダ シビック/2017年9月発売
現行シビックは開発にあたり日本市場のことなどまったく考えていない。
ひと昔前までホンダも「米国と欧州で作り分ける」(日本はヨーロッパに近い)ということをしていたけれど、もはや米国以外の販売台数が激しくシュリンクしてしまったため、どうでもよくなったのだろう。
現行モデルになってから、いちだんと米国頼みのクルマになったように思う。
もちろん、「シビックはホンダの原点。日本でも売る」という主張についちゃ「ごもっとも」である。
だったら高いコストかけて日本に生産ライン作らず、イギリス工場からの輸入でよかった。欧州らしい乗り味を持つシビックを一部のホンダファンを対象として丁寧に売る、という戦略です。
現行モデル、ふつうの人からすればカッコ悪くて高いのみ。案の定、販売は伸び悩んでいる。同じコストをかけるなら、ほかのモデルを導入すればよかった。
評価は「がんばりましょう」しかありません。
【国沢光宏】
【6】トヨタ シエンタ/2015年7月発売
2003年にスライドドアを持つコンパクトミニバンとして初代モデルが登場したシエンタは好調に売れたものの、パッソセッテを後継車に姿を消す予定だった。
しかし、ヒンジドアやスペースの狭さでパッソセッテが失敗に終わったため2010年に一時絶版となった後、2011年にマイナーチェンジされ復活。2015年7月に現行型2代目モデルに移行した。
現行シエンタは自動ブレーキの性能とアダプティブクルーズコントロールなどの運転支援機能がない点は不満だ。
しかし、それ以外に関してはコンパクトながら3列目もシッカリ使えるスペースを確保し、動力性能は充分、乗り心地もまずまず、2列シート仕様などのバリエーションも完備と文句ない。
よくできたクルマではあるが、それにしても驚くほど2019年夏から急に販売が伸び始め、8月と9月には販売台数トップに浮上。2019年の販売台数では2018年の5位から3位に躍進した。
【永田恵一】
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