いまでは、新型が登場するたびに話題になるEV。EVはもはや、未来の技術というより、すっかり実用化されたクルマだ。だが、何事も始祖を忘れてはいけない。量産型EVのはじまりは、もちろん三菱 アイミーブだ。今回、そのアイミーブを少し掘ってみよう。
文:小鮒康一/画像:三菱、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】まさかの逆転現象!? 中古はエントリーグレードの方が人気!? 三菱 i-MiEVの知られざる世界!(8枚)画像ギャラリー東芝製が高い!? アイミーブの知られざる世界
世界初のリチウムイオンバッテリーを搭載した量産電気自動車として2009年6月に登場した三菱 アイミーブ(i-MiEV)は、2006年1月に登場したアイをベースに電気自動車としたモデルで、2006年10月から電力会社を中心に共同研究を開始したものとして知られている。
ベースとなったガソリンモデルが終売となった後も販売が続けられ、2018年4月には対歩行者向けの安全強化を理由に大型のバンパーを装着。軽自動車から普通車登録となったのち、2021年2月まで生産が続けられたロングセラーモデルだ。
そんなアイミーブには複数のグレードが存在し、新車時は当然ながら上級グレードの方が高価だったのだが、中古車となってからはエントリーグレードの方が高値安定となる逆転現象が起こっている。
エントリーグレードのバッテリーは劣化しない!?
デビュー時はモノグレード展開となっていたアイミーブだったが、2011年7月に実施したマイナーチェンジ時にエントリーグレードとなる「M」を設定。従来の仕様を「G」として、2グレード化がなされた。
このMグレードは、当然ながら装備などもGより厳選されていたのだが、最も大きな違いはGが16kWhの駆動用バッテリーを搭載するのに対し、Mは10.5kWhと容量の小さなものが搭載されていた点。両車の価格差は120万円も違っていた(2011年当時の価格)。
これによって航続距離はGが180km、Mが120kmとなり(どちらも登場時のJC08モードの数値)、Mは近距離移動を主とするユーザーがターゲットとされていたのである。
Mグレードは驚きの耐久性能!?
ここまでは単にエントリーグレードが追加されただけに留まる話なのだが、実はこのMグレードに搭載されている東芝製のバッテリーはエネルギー密度が低く、ややコストが高いという弱点はあるものの、圧倒的な耐久性を持ち合わせており、長期間使用しても劣化度合いが少ないという特徴があったのだ。
電気自動車を運用していく上で一番のネックとなるのが駆動バッテリーの劣化であり、バッテリー交換ともなると多額の出費が必要となるのは言うまでもないので、劣化しにくいというポイントは中古車で電気自動車を購入しようとする人には、重要な要素。だから、Mグレードが人気なのである。











コメント
コメントの使い方中古車市場に出てくるとすぐ売れるって販売店の人が言ってました
東芝SCiB、せめてスーパーキャパシタとして駆動バッテリーのフロント部分に搭載してくれるだけでもバッテリー耐久性を向上させてくれると個人的に思い込んでるんですけどね、、東芝頑張れ!