635万円スタートは高いのか!?　ドイツ車とも肩を並べる「クラウンエステート」のイイ所とイマイチな所

　登場以来注目を浴びるトヨタ クラウンエステート。「いつかは……いや、今こそクラウン!?」と考えるが、大きな買い物なので迷うところ。そこで、気になるエステートの長所と短所を、自動車評論家のお2人に赤裸々に語っていただいた!!

※本稿は2025年9月のものです
文：国沢光宏、岡本幸一郎／写真：トヨタ、ベストカー編集部
初出：『ベストカー』2025年10月10日号

トヨタ クラウンエステートの○と×（国沢光宏）

■○なところ

　PHEVの乗り味は素晴らしい。大きな入力で出るブルブル感さえ抑えられればメルセデスやBMWに勝るとも劣らないレベル。重いバッテリーを床下に搭載していて重心が低いから、ステーションワゴンに乗っていることを完全に忘れる。

　HEVモデルはPHEVと比べ少し普通のクルマになるものの、それでも「いいね」。今やこのクラスのセダンやステーションワゴンは世界的に販売台数を落としているのを受け、クロスオーバー的な味を加えてるのもいい判断だと思う。

■×なところ

　安ければ売れるわけでもないけれど、635万円スタートはハードルが高いと考える。生産に余力出てきたら、もう少し装備を抑え、価格もそれなりのグレードを追加してくれば購入を考える人が増えてくるのではなかろうか。

トヨタ クラウンエステートの○と×（岡本幸一郎）

■○なところ

　圧倒的なユーティリティ。リアシートを倒すと奥行きが2mもあるフラットで広々としたスペースが出現するのは、なかなかインパクトがある。

　また、出先でくつろげるようにと引き出し式のデッキチェアやデッキテーブルといった気の利いたアイテムが設けられているのも○だ。

　さらに、質感にもこだわり、荷室のカーペットに毛並みの細い材質を用いて触り心地がよくなるようにしたというから恐れ入る。

■×なところ

　PHEVとHEVの差が大きすぎること。PHEVには電子制御のAVSが標準装備され、静粛性も万全に手当てされていて、素晴らしい完成度を誇っている。

　それに対しHEVは足まわりがちょっとつっぱっていたり、エンジン音がクラウンらしくなかったりして、いささか物足りなさを感じたのは否めない。