「軽をはるかに凌駕するクラスレスの存在感」 ダイハツ・ロッキー/トヨタ・ライズ

今や日本における中心カテゴリーのひとつになっているSUV。その勢いは衰え知らずで、2025年上半期の新車販売台数ではトップ30のうち10台がSUV。そして、そのSUV勢の最上位にいるのがライズだ。
ダイハツのOEM供給を受けて販売されるライズは、兄弟車のロッキーとともに一躍ヒットモデルに成長した。
その魅力は、やはりクラスレスの存在感やSUVらしい力強さとタフさを感じさせるルックス。パッと見ではリッターカーということを感じさせないほど立派で、軽自動車とは明らかに違う堂々とした雰囲気を持っている。
優れたパッケージ技術による広々とした居住空間と荷室スペースも特徴。つまり、小さなボディと広い室内という、相反する要件を両立しているのだ。
パワートレインは、1リッター直3ターボのガソリンと1.2リッター直3にモーターを組み合わせたハイブリッドの2種。先進性や経済性などは後者に譲るが、前者も1.5リッタークラスの動力性能を実現しつつ優れた燃費性能を実現する、侮れないパワーユニットである。
小粒ながら快適性抜群で、走りも満足できるSUV。軽自動車では満足できないけど、ダウンサイジングを考えているユーザーにお薦めしたい。
「VWらしい質実剛健なベーシックコンパクト」 フォルクスワーゲン・ポロ
「up!」が生産終了になった現在、日本でフォルクスワーゲンのボトムレンジを担うのがポロ。現行モデルは6代目にあたるが、デビューは2017年(日本導入は2018年)とすでに8年目に突入している。
しかし、クラストップレベルの居住性やユーティリティ性、優れた経済性などはいまだに高く評価され、人気の衰えは感じられない。
走りの核となるエンジンは1リッター直3ターボが基本で(1.5リッターターボも一時あり)、先代の1.2リッターターボよりもパワフル&トルクフル。2022年のマイナーチェンジでは新機構の投入や細部の改良が行われ、わずかながら燃費性能が向上し、最大トルクの発生回転域も下がった。
ただ、輸入車というと高額のイメージがある。ポロも実際にそうだが、装着できるオプションが限られたりボディカラーの選択肢が少ない、アルミホイールが非装着などのデメリットはあるものの、ボトムグレードの「TSIアクティブベーシック」であれば288万円で狙うことが可能。これはアクアの最上級グレードとほぼ同価格だ。
豪華装備の国産車もいいけど、シンプルながら輸入車のテイストや優越感を味わえ、質実剛健なポロも選択肢としてアリだろう。
「グローバルに展開するインド製ハッチバック」 スズキ・バレーノ
すでに生産終了になってしまっているが、スズキ・バレーノが面白い。
2015年のジュネーブモーターショーに参考出品されたコンセプトカー「iK-2」がベースとなった同車は、インドの子会社マルチ・スズキ・インディア社で生産し、世界で販売するれっきとしたグローバルカー。それゆえ作りはかなり真面目で、デザイン、居住性、走行性能、安全性など、コンパクトカーに求められる要素を高次元で調和させた理想のコンパクトハッチを追求している。
ワールドカーらしくボディサイズは立派で、全長こそ4m未満だが全幅は完全な3ナンバー。流麗でエレガントなスタイリングは欧州車のような雰囲気だ。
エンジンは1.2リッター直4と新開発の1リッター直3ターボの2種。本企画に合致する後者は6ATが組み合わされ、キビキビとした走りとともに優れた燃費性能を実現する。
また、欧州で徹底して走り込んで開発したというサスペンションも、しっかりとしたフィーリングながらしなやかな足に仕上げられている。
これで当時(2015年)の新車価格は約162万円! まさにバーゲンプライス。現在の中古車市場では物件数こそ多くないものの、狙ってみる価値十分のリッターカーである。
【画像ギャラリー】軽では飽き足らない人、必見!(15枚)画像ギャラリー
















コメント
コメントの使い方