2025年度上半期の新車販売台数第1位を堂々と更新したホンダ N-BOX。これだけ売れている、という形容はもはや聞き飽きたレベルだろう。それくらい、N-BOXをはじめとした軽自動車は、この日本では当たり前のように氾濫しているし、なんだったらなくてはならないものなのだ。だが、ある意味で生活必需品にもなっている軽自動車だからこそ、ターボが標準グレードでも必要なのではないだろうか。
文:小鮒康一/画像:ホンダ、日産、三菱、スズキ、ベストカーWeb編集部
軽自動車が660ccになってからもう35年以上!?
近年の軽自動車は装備も充実し、下手なコンパクトカーをも上回る快適装備を多く備えるモデルも珍しくなくなってきているのはご存知の通り。
その一方で確実に車両の重量は増加してきており、両側スライドドアを備えるスーパーハイト軽ワゴンなどでは1トン前後というものも珍しくなくなってきている。
ただ搭載されるエンジンの排気量については1990年1月に550ccから660ccに拡大されて以降、35年以上にも渡って変更されていないというのが現状で、重い車体をストレスなく走らせるのであれば、ターボモデルを選びたくなってしまうのは自然の摂理なのだが……。
ターボが欲しけりゃカスタム系を選ぶしかない!?
余裕の走りを実現してくれるターボエンジン搭載車だが、スーパーハイト軽ワゴンの中でターボモデルを選ぼうとした場合、ことごとくカスタム系のモデルを選ぶしかないというのが現状なのだ。
これはN-BOXやスペーシアといった定番モデルだけでなく、2025年9月に新型が発表されたルークス/eKスペースも同様で、ルークスであればハイウェイスター、eKスペースは同じ車体を共有するデリカミニにのみ、ターボモデルがラインナップされているのである。
もちろん、ターボエンジンは装備が充実した上級グレードに設定されるという理屈は分かるのだが、中にはカスタム系のイカツイ見た目は好みではないという人も少なからずいるのではないだろうか。
標準モデルでターボ搭載は消えゆく運命か!?
ただ実際スズキが2代目スペーシアをリリースした際に、標準モデルにターボモデルを設定しなかった点について聞いてみたところ、「思ったほど売れなかった」という衝撃の事実が判明したことがあった。
スペーシアは現在3代目が販売中となっているが、初代モデルにはカスタム系ではない標準モデルに「T」というターボエンジン搭載グレードを設定していた。しかし、フタを開けてみるとターボモデルを選ぶユーザーのほとんどがカスタム系を選んでいたというのである。
近年、各メーカーともコストの兼ね合いなどもあってグレード展開は最小限に、売れ筋の仕様に集約していく動きが顕著だが、設定しても売れないのであれば消えていってしまうのも致し方ないというもの。
現在、標準モデルにターボモデルをラインナップするスーパーハイト軽ワゴンはダイハツ タントのみとなってしまっているが、こちらもフルモデルチェンジを果たした際には消えてしまう運命にあるのかもしれない。

















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