経営危機に陥っている日産。海外市場における状況が不安定ないまは、海外重視の体制を見直し、日本市場の強化も必要となっているが、既存モデルの販売は思わしくなく、2025年1月から6月までの乗用車販売台数ランキングにおいて、トップ10にランクインしているのは、ノート(8位、43,308台)のみ。ただこのノートも前年比で約2割販売が減少するなど、好調とはいえない状況だ。
国内では今秋登場予定の新型リーフや新型ルークス、2026年の発売を予告している新型エルグランド、海外では中国向けの新型N7、新型N6、北米向けの新型セントラ、欧州向けには新型マイクラと、日産の新型車に関する情報は続々と発表されており、いずれも最新技術を搭載し、走行性能や安全性能、快適装備に磨きがかかっているのは間違いない。
これらももちろん必要なモデルなのだが、国内においては、かつて日常の足として多くの人に親しまれた「マーチ」こそ、必要なモデルなのではないかと筆者は考える。
文:吉川賢一/写真:NISSAN
【画像ギャラリー】いまの日産に必要なのはコレ!! かつて国民的な人気を誇った日産「マーチ」の歴代モデル(21枚)画像ギャラリーいつまでも乗り続けたいと思える存在こそが、いまの日産が真に取り戻すべきもの
日産「マーチ」は、丸みを帯びた愛嬌のあるデザインや小さくて扱いやすいサイズ、維持しやすい価格帯など、日本人の生活に寄り添った存在だった。
最後の国内向けマーチ(K13型)は、リーマンショック後のコスト重視政策によって装備やデザインに魅力を欠いたことで、「安いだけのコンパクトカー」に留まり、軽自動車の攻勢の中で埋もれてしまった。
ただ、日産が「マーチ」というモデルの魅力をしっかりとモデルに反映させていれば、違う結果になっていた可能性は十分にあったと思う。
日産としては、K13型が思うように売れなかったことで、コンパクトカーは「デイズ・ルークスとノートで十分」と考えた結果であろうし、成功したノート(の販売)に集中するという判断も間違っていたとは思わない。
ただ、日本においてはマーチのように「軽じゃないけどコンパクトカーよりさらに気軽」という立ち位置は重要であり、一時的な高性能による驚きだけではなく、マーチのように人々の生活に密着し、いつまでも乗り続けたいと思える存在は、いまの日産が取り戻すべきものなのではないかと思う。マーチが派生車を多く生み出していたことも、忘れてはならないマーチのよさだ。
ノートのようにハイブリッド車に固執せず、柔軟な発想で開発してほしい!!
欧州では、BEVとなった新型「マイクラ」が2025年後半に登場するが、価格は2~3万ユーロ(日本円だと350~525万円)が見込まれるなど、日本で売れる「マーチ」の姿とは違うもの。欧州でのマイクラはスポーティな小型ハッチバックという位置づけであり、日本のマーチとは方向性もやや違う。
いま必要なのは「マイクラ」ではなく日本独自のニーズに応える「マーチ」だ。ノートのようにハイブリッド車に固執せず、たとえば、次期エルグランドに搭載予定の第3世代e-POWER用1.5Lエンジンを、新型マーチ向けに純エンジン車用へと改良し、搭載するといった柔軟な発想で対応してほしいと思う。
全長3.7m級でノートよりひと回り小さいボディサイズ、200万円前後から手に入る価格設定、 愛嬌を残したデザインと最新の運転支援機能、軽快に走ることができるパワートレインと低燃費、これらが盛り込まれた新型「マーチ」は、まさに「日本にちょうどよい」コンパクトハッチとなるはずだ。派生車をどんどん展開することで、ユーザーの関心を引き寄せることも十分に可能だろう。

























コメント
コメントの使い方それって、ひょっとして、スズキのスイフトのことではないですか?
チェリーからマーチ、ウィングロードと乗り継いで、マーチには戻れませんでした。
1,000CCエンジンでエンジン✙トヨタハイブリッドでエンジン燃料は、ガソリンミックスつまり混合ガソリンで動く車