そしてやっぱり肝心なペダル操作!
燃料消費に直結するのは、言うまでもなくスロットル操作である。アクセルを大きく踏み込めば、その瞬間に燃料噴射量は急増する。電子制御スロットルは加速要求を検知すると即座に燃料を噴き、さらにはトルク制御を介して車両を前に押し出す。
この「加速制御」が作動すると、燃費効率は一気に崩れる。 したがって、燃費運転において最も重要なのは、いかにスロットル開度を抑え、制御が介入しない領域で走らせるかである。わずかなアクセルワークの違いが、数km/L単位の燃費差となって表れる。
ここにこそ、レーシングドライバーとして培った「ペダルを繊細に操る技術」が活きてくるのだ。
燃費運転のすべてが結果につながるレース
燃費運転が単なる理論ではなく実戦的なテクニックであることを証明する場が存在する。それが、毎年開催されるマツダ主催「メディア対抗ロードスター耐久レース」である。一般にはロードスターのワンメイクレースとして知られているが、実態は「燃費レース」の色彩が濃い。
例年 4時間という長丁場を戦う上のだが、速さだけでは勝てない。使用燃料量には限りがあり、いかに燃料を節約しながらペースを維持するかが勝負の分かれ目となる。
ここでは先述した「コースティング」「一定速度の維持」「スロットル開度の抑制」といった燃費テクニックが如実に結果へ反映されてくる。自動車メディア業界のジャーナリストやプロドライバーがその技を競い合う様は、燃費運転が単なる庶民的な節約術ではなく、高度なドライビングスキルの一環であることを物語っている。
最終的にはやっぱり理論を知ること
燃費を良くする運転は、単にガソリン代を節約する行為ではない。それは「物理を理解し、抵抗を最小化し、車両をスムーズに走らせる運転」である。結果として、同乗者に優しい乗り心地をもたらし、ブレーキやタイヤの寿命を延ばし、安全性すら高める。
燃費運転とは、一般道における「プロフェッショナルな運転術」とも言える。燃費運転の極意を一言で表すなら「先を読み、無駄なく、滑らかに」だ。こうした意識を持つことが重要だ。



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