太平の江戸の世から動乱の幕末を経て、異国の文化が押し寄せた明治時代。熱い時代に偉人たちの遺した言葉もまた熱い。というわけで、ご存知清水草一氏が、幕末から明治にかけての偉人たちが遺した名言から選んだ一台をご紹介する!!
※本稿は2025年9月のものです
文:清水草一/写真:日産、トヨタ、三菱、テスラ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年10月26日号
幕末・明治の偉人編その1:坂本龍馬
●「海はでっかいぜよ!」
幕末期の偉人のなかでも最大の人気者・坂本龍馬。彼の名言の多くは、姉・乙女への手紙の中に残されており、最も有名なのは、「日本を今一度せんたくいたし申候」だろう。
土佐出身の一介の浪人の身でありながら、ニッポンを洗濯してやるぞという、そのでっかい気概に惚れ惚れするぜ!
しかし、この名言でクルマ選びをするのは難しい。せいぜい「今度洗車しよう」って感じになる。そこで今回は、「海はでっかいぜよ!」を採用した。
これは坂本龍馬が実際に語った言葉ではなく、後世、坂本龍馬ならこんなことを言いそうだなぁと創作されたものだが、「自分が知らない世界には、もっとでっかいものがある」という、実に龍馬っぽい人生訓になっている。
この名言に従ってクルマを選べば、太平洋の向こう岸・アメリカで走っているでっかいクルマに乗れ! ということになる。
日本に正規輸入されているなかで一番でっかいアメ車は、キャデラックのエスカレード。全長5.4m、全幅2m超はさすがにでっかいぜよ!
幕末・明治の偉人編その2:西郷隆盛
●「もうここらでよか」
西郷隆盛の座右の銘は「敬天愛人」だが、西南戦争で自刃する寸前に残した言葉は、「もうここらでよか」。腹心の別府晋介の介錯を受け、息絶えた。49歳であった。
この言葉に従えば、18年間頑張った末、先日ついに生産が終了した日産 GT-Rを買え、ということになろう。「せごどん」もGT-Rも、その生涯を全力で駆け抜けた点で一緒。本当にお疲れ様でした!
幕末・明治の偉人編その3:高杉晋作
●「おもしろきこともなき世をおもしろく」
アインシュタインの超むずかしい理論は、すべて彼の脳内の思考実験から生まれた。ホントの実験とか観測は、一切やっていない。凡人にはにわかに信じられまへんなぁ。
高杉晋作の名言「おもしろきこともなき世をおもしろく」は、実に含蓄が深い言葉だ。面白くないクルマだって、自分で面白くすればいいのだ!
その言に従ってクルマを選ぶと、カローラアクシオになるだろうか。面白くないと評されることもあった先代カローラを、そのまんま継続生産している。だからこそ面白くし甲斐がある。オーナーの力量が問われるぜ!
幕末・明治の偉人編その4:勝海舟
●「敵は多ければ多いほど面白い」
幕末期、勝海舟の周囲は暗殺者がうようよ。坂本龍馬すらそのひとりだった。しかし勝は、そんな世の中を豪胆に駆け抜け、明治維新につなげた。
テスラはいま四面楚歌だけど、だからこそ面白いかもしれないネ!


















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