4WDといえばスバル。というのが定番だったのだが、ここ最近マツダも雪上やオフロード試乗会を開催するなど、その性能の良さをアピールしている。
さらに、ここに来てトヨタが新型RAV4に3種類もの4WDシステムをラインナップし、しかも4WDモデル注文比率も驚異的な高い水準なのである。つまり、特にSUVではユーザーがそれだけ4WDに関心を寄せているということだろう。
そこで、定番のスバル、新鋭のマツダ、話題のトヨタ(RAV4)が誇る4WDが、どのようなシステムなのかを解説し、改めて各4WDシステムを評価する、というのが本稿のテーマ。
筆者は2018年、2019年と北海道雪上試乗会で3社の4WDを試乗した経験がある。またタイヤメーカーの雪上試乗会も今年に渡るまでに試乗していて、さまざまな4WD車をドライブした。
その経験を基に、4WDはやっぱりスバルなの? ホントはどうなの? ということに触れてみよう。
文:松田秀士
写真:編集部、SUBARU、TOYOTA
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今も昔も大定番!! スバル製4WDの特長は「バランスの良さ」
まずスバルの4WDだ。スバルは車種による用途に応じて数種類の4WDシステムを持っている。
ざっとスバルの4WDには、「アクティブトルクスプリットAWD」(後述)、「VTD-AWD」(WRX S4)、「ビスカスLSD付センターデフ方式AWD」(国内では搭載モデル消滅)、「DCCD方式AWD」(WRX STI)という4つがラインナップされている。
このなかで最後のDCCD方式AWDは、EJ20エンジンの終了で注目されているWRX STI用の4WDで、2017年にさらに進化して反応が速くなり4WD特有のアンダーステアを小さくしている。ドライバーの好みに応じて前後トルク配分の設定を変えることもできるオンロード系の4WDだ。
こちらも定評があり優秀な4WDだが、ここでマツダやトヨタと比較するのであれば最初に挙げた「アクティブトルクスプリットAWD」だろう。
アクティブトルクスプリットAWDは、現在多くのスバル車に採用されている4WDだ。主だった車種を挙げるとレガシィB4、インプレッサ、アウトバック、XV、フォレスターといったところ。
このなかでアウトバック、XV、フォレスターには電子制御によってブレーキを積極的に使い、素早い4WD応答と悪路走破性を向上させた「X-MODE」がセットされる。
アクティブトルクスプリットAWDはAT(CVT)の油圧を利用して油圧多板クラッチを制御して、前輪100:後輪0から同50:50まで自在にトルク配分をコントロール。
X-MODEスイッチをONにすることで雪上や泥路では1輪が滑るとその輪に素早くブレーキをかけてトルクを逃がさず本来の4WDシステムの性能を発揮してくれる。特に雪上では威力大と感じた。
さらにスバル4WDの最大の特徴は、エンジンが縦置きだということ。これによってエンジンの後ろにトランスミッションを配置でき、そこからクルマの中心に沿って前後に駆動を振り分けられるので、前後における左右のドライブシャフトが等長にでき、それぞれ均等にトルクが伝わる。
また、エンジン縦置きなので前後重量配分のバランスが良いのだ。
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