タイムを競うわけではない公道での運転において、上手い下手を分ける基準はクルマがスムーズに動いているか。同乗者を不快にさせない運転をするために、ステアリング操作の足し算と、ペダル操作の引き算を覚えておこう。
文:佐々木 亘/画像:マツダ・Adobe Stock(メイン画像=mila103)
【画像ギャラリー】運転がマジで楽しいロードスターに約761万円の最強グレード「12R」登場!!(26枚)画像ギャラリー先読みできることが運転上手への一歩目
教習所では「だろう」運転はダメ、「かもしれない」運転を心掛けろと教わる。漫然と運転を続けていては、運転上手になることは無いということ。上手な運転とは、常に「先読み(かもしれない運転)」を行い続けることなのだ。
先が読めない運転をすると、同乗者も運転者の意図を読み取れない。すると、想像外のクルマの動きに不快感を覚えてしまうのだ。ここでステアリングを切るよね、ここでブレーキ踏むよねというタイミングを、同乗者と共有することも、運転上手への近道となる。
例えば、急に大きくステアリング切って、クルマがロールする。急にアクセルを踏んだり、ブレーキのタイミングが遅かったりして、クルマがピッチングを起こす。これが不快の主な要素。運転が上手いなと思われるためには、まず先読みをして急の付く運転をしないことから始めていこう。
発進するにも止まるにも、左右に曲がるにも、同乗者が「動きが来る」とわかるきっかけを作ってあげることが、運転上手への近道だ。そのために必要な操作は、徐々に足していき、徐々に引いていくことに尽きる。
ステアリング操作は足し算にすること
曲がり角に対して、ステアリングの舵角が一発で決まる人は、そう多くない。慣れ親しんだ道でも、進入速度が異なり、ブレーキのタイミングが違うと、それだけでクルマの曲がり方は変わってしまう。その時に、ステアリングの修正を行うのだが、これをマイナス方向へ修正するのはご法度。俗にいうステアリングを切りすぎの状態は不快を伴うのだ。
運転上手は、クリッピングポイント(走行ラインの中でのイン側の頂点)に到達するまで、ステアリングの動きは常に足し算だ。運転下手は決まって切り込んだステアリングを、クリッピングポイントを迎える前に戻して調整をしてしまい、さらに切り方が足りなくて切り足してしまう。
横Gを受けている同乗者は、ステアリングを戻されると一旦Gが抜けてしまい、Gを受けていた方向と逆方向に体が揺られる。この時に戻したステアリングを再度切り増すと、また逆方向に体が揺すられ、不快な動きが発生してしまう。不快を少なくするには、Gを一定にしてあげることが大切になってくる。
ステアリング操作の基本は足し算である。少しずつ切り増していき、最大操舵角になったらそこをキープ。コーナーを抜ける時には、ゆっくりと戻していくこと。これを守るだけで、同乗者の車酔いは大きく軽減されるぞ。
カックンブレーキはご法度
ブレーキ操作時に、頭がガクッと前に持っていかれるようなら、その踏み方は速度に対して大きすぎる。ブレーキの踏力は、速度に比例して大きくする方が、同乗者への影響は少ない。速度が落ちるにしたがって、踏力は引いていくのが上手なブレーキの扱い方。
減速していく中で、徐々にブレーキペダルの踏み方は小さくなるように調整していこう。そして停止直前に一瞬だけブレーキペダルを抜き、ゆっくりと踏み込むと、最後のカックンが起きるのを防ぐことができるぞ。このあたりは足の感覚で慣れが必要なので、一人で乗っているときに、ひたすら練習してほしい。
ステアリングの足し算とペダル操作の引き算で、出てくる答えは運転上手。これが運転上手の方程式だ。日ごろの意識が大切になる運転上手への道。あなたは、どのくらいの運転上手だろうか。





























コメント
コメントの使い方最近20代友人の運転で出掛けることがあり、その時に同世代友人の運転と対比で思ったのですが
勉強熱心で免許とってからエコカーのみなその若者は、記事の通り凄く丁寧な運転を徹底してるんです。
そしてそれに以前は瓜二つで極めて丁寧だった同世代は、サーキット通いするようになってから明らかに変わりましたね。
状況が許せばあえてスパッと曲がったり、回転数上げたりと、交通の中でも適度に楽しむという部分が+された。