走行距離税なんて言語道断!! 乗らない人が大幅に増加する!? でもクルマは走らないと逆に調子を崩す!!! 長持ちさせるには走らないとダメな理由

ブレーキパッドは経年変化によって硬化し効きが悪くなる

クルマから「キーキー」と音が鳴れば、ブレーキパッドの交換時期が近づいた証拠(Pongmoji@Adobe Stock)
クルマから「キーキー」と音が鳴れば、ブレーキパッドの交換時期が近づいた証拠(Pongmoji@Adobe Stock)

 ブレーキパッドにはこれ以上、使うことはできないという摩耗限界が設定されている。一般に2.5mmで、それ以上の厚みが残っていたなら基本的に交換する必要はない。

 しかし、十分な厚みが残っていたとしても、年数が経過したものはこの限りではない。ブレーキパッドはブレーキローターに擦り合わせることで生じる摩擦によって制動力を得ており、制動時には200~300℃という高温に晒される。このため、峠道などでブレーキを使いすぎるとライニング(摩擦材)の表面が焼けて炭化。効きが悪化してしまう。

 経年劣化によっても硬化するため、使用年数が経過すると、やはり効きが悪くなってくる。摩耗しにくくなることでブレーキローターへの食いつきが悪くなるからだ。

 さらに、ホイール内にむき出し状態で組み付けられているという、路面から跳ねた雨水や湿気に晒されやすい環境にあるため、年数が経過すると裏板が錆び、酸化物ごとライニング(摩擦材)が剥がれてしまうことも。

 つまり、残量が大切なものの、年数や使い方で考える必要もあるわけ。目安は4~5年、これ以上経過したものは残量が十分あったとしても交換したい。

 また、ブレーキペダルの踏み力の伝達という重要な役割を担っている「ブレーキフルード」は湿気に弱く、1年も経過すると水分を取り込んで劣化。徐々に茶色く濁ってくる。そして、2年以上使い続けると混入した水分でマスターシリンダー内壁がサビて液漏れを誘発。

 吸水すると沸点が下がってべーパーロックなどのトラブルも起こしやすくなるので要注意! 走行距離が少ないからといって、交換を怠ってはならない。できれば1年毎、遅くとも車検毎の交換が必須だ。

編集部まとめ

黒いゴムの部分がサスペンションアームのゴムブッシュ。やはり走らせないと逆に悪くなる。ブッシュ類を交換することで見違えるほど乗り心地がよくなる
黒いゴムの部分がサスペンションアームのゴムブッシュ。やはり走らせないと逆に悪くなる。ブッシュ類を交換することで見違えるほど乗り心地がよくなる

 ゴム類についても長く乗らないと悪くなってしまう。エンジンマウントやサスペンションのゴムブッシュ類などは、熱が加わって柔らかくなり、絶えず伸び縮みすることで弾力を維持できているので、多少走行距離が伸びたとしても、コンスタントに走らせていたクルマの方が調子はよいのだ。

 川の水は常に流れているから澄んで透き通っているのであって、流れが止ると澱んで濁ってしまう。そう、乗らないことが調子を崩す原因になることもあるということだ。

 走ることで各部の潤滑が行われ、タイヤの劣化防止剤が作用し、バッテリーも充電される。走らない=痛まないとは限らないことを理解し、走行頻度や距離が少なくてもメンテナンスを怠らないことが、愛車を長持ちさせるポイントということだ。

PR:かんたん5分! 自動車保険を今すぐ見積もり ≫

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

GRスターレットは次期型ヤリス!? 2025年に出たクルマをALL CHECK!『ベストカー1.10号発売!』

GRスターレットは次期型ヤリス!? 2025年に出たクルマをALL CHECK!『ベストカー1.10号発売!』

 12月に入り、いよいよ今年もラストスパート。2025年は新型車ラッシュに加え、JMS2025をはじ…