ブレーキパッドは経年変化によって硬化し効きが悪くなる
ブレーキパッドにはこれ以上、使うことはできないという摩耗限界が設定されている。一般に2.5mmで、それ以上の厚みが残っていたなら基本的に交換する必要はない。
しかし、十分な厚みが残っていたとしても、年数が経過したものはこの限りではない。ブレーキパッドはブレーキローターに擦り合わせることで生じる摩擦によって制動力を得ており、制動時には200~300℃という高温に晒される。このため、峠道などでブレーキを使いすぎるとライニング(摩擦材)の表面が焼けて炭化。効きが悪化してしまう。
経年劣化によっても硬化するため、使用年数が経過すると、やはり効きが悪くなってくる。摩耗しにくくなることでブレーキローターへの食いつきが悪くなるからだ。
さらに、ホイール内にむき出し状態で組み付けられているという、路面から跳ねた雨水や湿気に晒されやすい環境にあるため、年数が経過すると裏板が錆び、酸化物ごとライニング(摩擦材)が剥がれてしまうことも。
つまり、残量が大切なものの、年数や使い方で考える必要もあるわけ。目安は4~5年、これ以上経過したものは残量が十分あったとしても交換したい。
また、ブレーキペダルの踏み力の伝達という重要な役割を担っている「ブレーキフルード」は湿気に弱く、1年も経過すると水分を取り込んで劣化。徐々に茶色く濁ってくる。そして、2年以上使い続けると混入した水分でマスターシリンダー内壁がサビて液漏れを誘発。
吸水すると沸点が下がってべーパーロックなどのトラブルも起こしやすくなるので要注意! 走行距離が少ないからといって、交換を怠ってはならない。できれば1年毎、遅くとも車検毎の交換が必須だ。
編集部まとめ
ゴム類についても長く乗らないと悪くなってしまう。エンジンマウントやサスペンションのゴムブッシュ類などは、熱が加わって柔らかくなり、絶えず伸び縮みすることで弾力を維持できているので、多少走行距離が伸びたとしても、コンスタントに走らせていたクルマの方が調子はよいのだ。
川の水は常に流れているから澄んで透き通っているのであって、流れが止ると澱んで濁ってしまう。そう、乗らないことが調子を崩す原因になることもあるということだ。
走ることで各部の潤滑が行われ、タイヤの劣化防止剤が作用し、バッテリーも充電される。走らない=痛まないとは限らないことを理解し、走行頻度や距離が少なくてもメンテナンスを怠らないことが、愛車を長持ちさせるポイントということだ。


コメント
コメントの使い方たまにちょい乗りしかしないであろう奥様方の軽自動車とかが、道端で故障しているのを目撃するけど、こういうことなんですよね。
毎日適度な距離を走っていれば、故障の予兆にも、気づきやすいはず。
それにしても・・・車に乗らなくてもいい都心部で政治を決めると、こういうとんでもないことを言い出す政治家や官僚が現れる。これからは、国会は北海道の稚内や羅臼あたりに国会議事堂作って議会開いたらと言ってみたい。