走行距離税なんて言語道断!! 乗らない人が大幅に増加する!? でもクルマは走らないと逆に調子を崩す!!! 長持ちさせるには走らないとダメな理由

摩耗しなくてもタイヤは劣化する

ゴムは保管しておくだけでも少しずつ劣化する。細かなひび割れや表面の乾燥は劣化のサインだ(YK-image@AdobeStock)
ゴムは保管しておくだけでも少しずつ劣化する。細かなひび割れや表面の乾燥は劣化のサインだ(YK-image@AdobeStock)

 ゴムを主成分とするタイヤも、路面からの衝撃で伸び縮みを繰り返すことで柔軟性が維持されており、駐車して一点に加重がかかった状態で長期間、放置すると変形してしまう。タイヤが変形してしまうとホイールバランスが崩れ、振動が出たりハンドルを取られたり、走行中に異音が出たりする原因となる。

 長期間(3ヵ月以上)クルマを停めっぱなしで、久しぶりにクルマを動かしたら、「ブルブル」とクルマ全体が震えているような感じがしたら、それはタイヤにフラットスポットができている証拠。

 フラットスポットは長期間停めていたため、車重が1点に荷重が集中してしまったためできた歪み。軽い場合は30分ほど走行すると治ることがあるが、この「ブルブル」という異音が収まらない場合、悩むよりもいっそのこと新品タイヤを交換してしまったほうがよい。

 また、空気圧不足によるタイヤが潰れた状態だった場合、当然、その変形の度合いは大きくなる。走る距離が短く、駐車期間が長くなればなるほど、空気圧チェックも疎かになりがち。

 タイヤの素材であるゴムは空気を透過する性質があるため乗らなかったとしても「1ヵ月に1度」は空気圧のチェックを。そして、必要に応じて補充することで適正な空気圧を維持することが大切だ。

 注意すべき点はまだある。屋外での利用が一般的なクルマは、問答無用でかなりの「紫外線」を浴びる。この「紫外線」、タイヤの主成分であるゴムにとって大敵。古くなった輪ゴムは弾力がなくて引っ張っただけで切れてしまう。これは大気中のオゾンや酸素、日光に含まれる紫外線で引き起こされる「経年劣化」で生じる現象で、硬化とともにヒビ割れも生じる。

 年数が経過するとタイヤにもこのような現象が生じ、表面が硬化したところにたわむ力が加わることで、表面に細かな無数のヒビ割れを生じてくる。しかも、荷重がかかった状態で長期間、放置したり、空気圧が少ないと側面が必要以上にたわんだ状態となるため、よりヒビ割れも起きやすくなるので注意!

 これを業界用語では「風邪を引いた」と言われる状態で、製造から3年以上経過したタイヤで、このような状態になっていたら要交換だ。側面が劣化したということは、トレッド面(接地面)にも劣化が及んでいる証拠。溝は十分残っていたとしても、グリップ力は確実に低下してしまっているからだ。

 空気圧のチェックは一般的には1カ月に1回程度が目安と言われているが、運転する頻度や高速道路の利用が多いという場合にはタイヤへの負担も大きくなるため、2~3週間に1回程度はチェックを行いたい。

月に一度は空気圧チェックを行いたい(powerbeephoto@Adobe Stock)
月に一度は空気圧チェックを行いたい(powerbeephoto@Adobe Stock)

 一般社団法人日本自動車タイヤ協会(JATMA)が調査したところによると、乗用車用のタイヤでは1カ月で5%程度も空気圧が自然に低下し、高速道路で点検を実施した4台に1台のクルマが空気圧不足の状態だったという。

 一般的には空気圧が低すぎるとタイヤの左右どちらかが極端に減る「片減り」や、ショルダー部分が減る「肩落ち摩耗」が起こりやすくなるとされ、反対に空気圧が高すぎるとタイヤの中央部分が減りやすくなると言われている。

 一般社団法人省エネルギーセンターのデータをもとにしたJATMAの試算によると、適正な空気圧から50kPa不足した状態で走ると、市街地で2.5%、郊外で4.3%、高速道路ではなんと4.8%も燃費が悪化するという結果が出ており、これは1リッター当たり4~7円も高いガソリンを使用しているのと同じ計算になるという。

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