半世紀以上にわたって「みんなのクルマ」であり続けてきたカローラが、新時代へと踏み出しました。トヨタがジャパンモビリティショー2025で世界初公開した「カローラコンセプト」は、ハンマーヘッドデザインを進化させた外観と、未来的なインテリア、そして初のバッテリーEV設定など、次の60年へ向けた「新世代カローラ」の姿を示した一台でした。
文:吉川賢一/写真:TOYOTA、エムスリープロダクション、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】これぞ革新と伝統の融合!実用車から「欲しくなるクルマ」へと進化した トヨタ「カローラコンセプト」(8枚)画像ギャラリー「革新と伝統の融合」を体現したカローラコンセプト
ジャパンモビリティショー2025で発表されたトヨタの「カローラコンセプト」。ハンマーヘッドデザインをさらに進化させた力強いフロントマスクが印象的で、ワイド&ローのプロポーションや大きく寝かせたフロントウィンドウ、ショートオーバーハングなど、スポーティで安定感のあるシルエットを実現しています。折り目を活かした抑揚あるボディ面構成も見事で、従来の「実用車」というカローラのイメージを脱し、存在感あふれる一台に仕上がっていました。
一方で、ボディ形状は伝統のセダンスタイルを踏襲しており、普遍的な美しさも兼ね備えています。まさに「革新と伝統の融合」という表現がふさわしい仕上がりです。
インテリアもまた大きく進化しています。ドライバー正面の大型メーターディスプレイに加え、助手席専用のワイドモニターも装備。センターコンソールはフローティング構造で、前席間をウォークスルー可能とするなど、居住性と機能性を高次元で両立しています。後席空間も広く、足元に余裕があり、温かみのある照明が室内全体を包み込むような快適な空間を演出。コンセプトモデルらしい大胆さを持ちながらも、「実際にこのまま乗りたい」と思わせる完成度でした。
地球を大切にしながら、誰もが欲しくなるクルマを、人々の生活に合わせて
最大の注目点は、カローラとして初めてバッテリーEVが設定されることです。ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車も展開される見込みで、トヨタのマルチソリューション戦略をけん引する存在になると考えられます。
コンセプトカーをあえて「セダン」でつくったのは、カローラのグローバルスタンダードは依然としてセダンであるため。プレスカンファレンスでトヨタの佐藤恒治社長は、「みんなが乗りたくなる格好いいクルマにしたい」と語り、カローラの新しい時代への意気込みを示しました。地球を大切にしながら、誰もが欲しくなるクルマを、人々の生活に合わせて。「みんなのためのクルマ」を実現するためのアイデアが、カローラコンセプトには数多く詰め込まれているようです。
1~2年以内に正式にお披露目か!??
カローラは、1966年の初代誕生以来、世界140以上の国と地域で販売され、累計5000万台(2021年時点)を超える販売を記録しています。常に時代の変化とユーザーの暮らしに寄り添いながら、いつの時代も「ちょうどいいクルマ」として進化してきました。
現行モデルの登場は2018年。すでに7年が経過しており、通常のモデルサイクルを考えると次期型の開発は最終段階にあると見られます。さらに2026年はシリーズ誕生60周年という節目。トヨタがこのタイミングで「原点回帰と革新」を両立させた新世代カローラを投入するのは自然な流れでしょう。
セダン以外のバリエーションや発売時期についてはまだ明らかにされていませんが、ハッチバックやツーリングワゴン、SUV、そしてGRシリーズなど、多彩な展開も期待されます。これまでの開発スケジュールから推測すると、1~2年以内に新型カローラが正式にお披露目される可能性が高いです。実用性、信頼性、そして誰もが手にできる身近さ。そのすべてを次世代の技術で再構築した「未来のカローラ」が、再び世界を驚かせる日は近いはずです。
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コメント
コメントの使い方JMSでも大前提として、BEVだけじゃなくHV系や純エンジン仕様も継続で行くと明示されていたカローラ。
トヨタ自らそれほど強調したのは、これほどBEVっぽい姿でコンセプト出したら、次のカローラはBEVだ!という「誤報」が広がりそうなので、避けたかったのでしょう。
このスーパーカースタイルからサイズや地上高など変わるでしょうが、国によって純エンジンも近いデザインで出てくるのが楽しみです