都会で暮らす多くの国民は自家用車を持つことも諦め、地方では家電のような面白みに欠けるモデルが普段使いされている……。と、このようなクルマの未来を危惧した伊達軍曹どのが一念発起、大日本国民車会議を発足!! で、それナニ!?
※本稿は2025年11月のものです
文:伊達軍曹/写真:トヨタ、日産、ホンダ、スバル、マツダ、三菱、スズキ、ダイハツ ほか
初出:『ベストカー』2025年12月10日号
まずは大前提「そもそも国民車とは何か?」
■伊達軍曹が考える「令和の国民車三原則」
●原則1:国民車は安い!
買えない値段では意味がない。できれば車両100万円台としたいところだが、昨今の物価を考慮して「200万円台まで」と規定する。
●原則2:国民車は燃費がイイ!
燃料代がやたらとかかってしまっては意味がない。使用燃料は当然レギュラーガソリンまたは軽油で、燃費は20km/L以上を望みたい。
●原則3:国民車は運転が楽しい!
とはいえ運転がつまらないクルマでは意味がない。国民車は、速くなくてもいいが、心が高揚するフィーリングであってほしい。
国民車というと、アドルフ・ヒトラーが1934年にドイツで提唱した国民車計画と、それを具現化したKdFワーゲン(後のフォルクスワーゲン・タイプ1)、あるいは1955年(昭和30年)に当時の通産省が示した「国民車育成要綱案」が想起される。
しかし、当時とは何から何まで状況が異なる現在、それら過去の国民車構想を振り返ることに意味はない。またそもそも価値観や選択肢が多様化した今、「画一的な国民車など、そもそも不要である」という意見もあるだろう。
それはもちろんそのとおりで、筆者も「画一的な国民車を作れ」などと言うつもりはない。必要なのは何か一車種のクルマではなく、ごく普通の収入で暮らしている国民一人ひとりが普通に買える値段の、経済的なクルマで、そのうえで「移動体験のみならず、運転体験自体も楽しむことができる、複数のモデル群」だ。
端的に言うのであれば「安くて経済的で、そんでもって運転自体もけっこう楽しいクルマが常に何車種か存在してれば、我々ニッポンの国民は今以上に元気に、今以上にシアワセになれるのではないか?」という話である。そういった何車種かの車種群のことを、筆者は「国民車」として想定している。
そんな「現代の国民車」の条件は冒頭にまとめたとおり、「車両価格は200万円台まで」「燃費は、少なくとも悪くはないこと」「運転行為自体を楽しめること」という3つになる。
ということで、「令和の国民車候補」をピックアップし、それぞれを国民車的視点から評価していくことにしよう。
まずは「カー・オブ・ザ・イヤー」に倣って複数台を選ぶ!
日本カー・オブ・ザ・イヤーが、まずはその年の「10ベスト」を選定したうえでイヤーカーを決めるのにならい、我が大日本国民車会議も、まず「15ベスト」を選出し、そこからイヤーカーならぬ「令和の国民車ナンバーワン」を決定することにしたい。
前述したとおり、価値観やライフスタイルが多様化している現在は、何か一車種のクルマだけを国民車として認定する必要はまったくないのだが、まぁ、とりあえずナンバーワンはいちおう決定させたい。
そのうえで、トップ5までに入ったモデルすべてが「大日本国民車会議が考える素晴らしき国民車」であると考えていただければと思う。
で、議長を務める伊達が独断で選出した「15ベスト」が下に挙げる15車種。必ずしも新しいモデルばかりでなく、設計年次がやや古いモデルも含まれているが、古めの車種であっても「国民車的な実力」に関しては何ら問題はなく、むしろ最新モデル以上である場合も多い。
特にトヨタのヤリスのハイブリッド車あたりは、2020年2月デビューの“老兵”ではあるが、その国民車力(安くて燃費もいいけど、運転自体も楽しめること)に関しては、いまだ国内トップレベルだといえる。
これら15車種に対して大日本国民車会議メンバーが超絶真剣な討論を行った際の議事録を、別記事に掲載する。真剣過ぎたら申し訳ない。


















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