運転免許取得時に覚えなければならない道路標示だが、運転免許を何度も更新していくうちに、標識や標示の意味があいまいになっていくことも多い。勘違いして覚えており、ルールに違反して警察のお世話になるのは悲しいだろう。また、地域によっては、ルールが異なることもあり、自分の普段走る道に合わせて、道路標示への理解を深めていかねばならない。
文:佐々木 亘/写真:ベストカーWeb編集部・AdobeStock(deberarr@AdobeStock)
道路に引かれている線の意味を覚えていますか?
道路上に引かれている様々な線。停止線や横断歩道などわかりやすいものは多いのだが、センターラインには様々な種類がある。種類が多くなるとルールを誤認しているなんてこともあるだろう。
センターラインの種類は大きく分けて3つだ。白の実線、白の破線、そして黄色(オレンジ)の実線である。
最もよく見る白の破線の場合、追い越しを含めて必要な場合は、車線をはみ出して通行することが可能。一方で白の実線は、原則として線をはみ出して通行することはできない。ただし、白の実線からはみ出さなければ、追い越しができる(追い越し禁止場所に当たらない場合)。
ちなみに、道路交通法第30条で定められた追い越し禁止の場所は、「道路の曲がり角付近」、「上り坂の頂上付近」、「勾配の急な下り坂」、「トンネル(車両通行帯の設けられた道路を除く)」、「交差点」、「踏切」、「横断歩道または自転車横断帯およびこれらの手前30m以内の部分」だ。
いずれも先が見通せず、追い越しをすると危険な場所である。白線の意味と、追い越し禁止場所はセットで覚えておきたい。
またセンターラインが黄色の実線では、追い越しのために車線の右側にはみ出して通行することが禁止されている。また、黄色の実線と白の破線が組み合わされたセンターラインもあるので注意。
この時は、白の破線側の車線からは右側にはみ出しても違反にならないが、黄色の実線側からは追い越しのために右側へはみ出すと違反になる。一方向だけに限定した追い越し禁止と理解しておく必要があるのだ。
ゼブラゾーンは走ってもいい? ダメ?
道路上に出現する、シマシマ模様。ゼブラゾーンとも言われているが、正式名称は「導流帯」という。車両の安全かつ円滑な走行を誘導する必要がある場所に設けられている表示だ。
教則本には「車が通らないようにしている道路の部分」と説明されているので、なんとなく走ってはいけない場所だなと認識している人も多いだろう。しかし、道路交通法上では、導流帯への進入は禁止されていない。
つまり、ゼブラゾーンの中を走っても、それ自体は取り締まりの対象にはならないということ。ただし、あくまでもクルマの通行を安全で円滑に誘導するための標示であるから、入らない方が無難。ゼブラゾーンは、道路の応急的な余裕の部分と考えておく方が良いと思う。
さらにこのルール、宮城県では大きく異なるので観光などで訪れる方は注意してもらいたい。宮城県公安員会は、宮城県道路交通規則第14条4項で「ペイントによる道路標示の上に、みだりに車輪をかけて、車両を運転しないこと」と定めているのだ。
道路交通法では、都道府県ごとの道路交流規則を守ることが定められており、宮城県でゼブラゾーンの上を意図的に走ることが交通規則違反。もちろん違反と現認されれば反則金の支払いを課せられることもあるという。
クルマを運転する限りルールの変化や地域柄のルールは知ることが必要。「一度覚えたから大丈夫」という感覚は持たず、免許と同じように交通ルールの更新も必要になってくる。


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