猛暑の夏が終わり、過ごしやすくも短い秋を経て、いよいよ冬本番。雪のシーズンだ。北国では初雪の知らせも聞こえてくるこの頃、スタッドレスタイヤ選びを考えたい。ベストカー編集部が最新スタッドレスタイヤを徹底チェックする!!
※本稿は2025年11月のものです
文:ベストカー編集部、梅木智晴(ベストカー編集委員)/写真:ブリヂストン、横浜ゴム、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年12月10日号
日本2大タイヤメーカーの2025年-2026年シーズン新作
あれほど猛暑だった夏も今となっては夢だったかのように秋めいて、北海道や東北北部の山間部では初雪の報も聞こえてきた。
考えてみればもう11月(執筆時)。「今年も残すところ……」なんて言う声が聞こえる時期になってきた。
ならば、クルマも冬支度だ。北海道のドライバーはすでにスタッドレスタイヤに履き替えたという人がほとんどだろうが、本州以南ではこれからが冬タイヤへのチェンジの本番となる。
2025年-2026年シーズンの注目は、なんと言ってもブリヂストンと横浜ゴムが主力スタッドレスタイヤをフルモデルチェンジしたということだ。
ブリヂストンは「ブリザックWZ-1」、そして横浜ゴムは「アイスガード8」。ともにアイス性能をさらに引き上げながらドライ性能も高めるハイバランススタッドレスタイヤだ。
日本を代表する2大タイヤメーカーが威信をかけて日本の冬道に特化させた性能を追求した最新スタッドレスタイヤだけに、注目だ。
このほかにもここ近年注目度が高まってきたオールシーズンタイヤも国内外メーカーがラインナップを強化している。
冬タイヤ選びはますます頭を悩ませる。そのあたり、この記事を見て解決していただきたい!!
BRIDGESTONE BLIZZAK WZ-1
●どんなタイヤだ?
ブリザックVRX3の登場は2021年。それから4年。1→2→3と進化してきたVRXは「WZ-1」と名を変えて、さらなる進化を遂げた。
VRX3でも充分に高性能だと感じていたアイス性能をさらに引き上げ、「断トツのアイスコントロール性」を目指したという。
実際、テストではアイスブレーキが11%、アイス旋回が4%それぞれ向上した。さらにスタッドレスタイヤの弱点、ウェット性能が5%引き上げられた点も特筆だ。
VRX3で高い吸水性能を実証した楕円形の発泡ゴムは継続して採用。これでも除去しきれなかったトレッド面と氷上の隙間に残った水膜を、新開発の親水性向上ポリマーの作用により薄く広げることで、水自体を抵抗として粘るようなグリップを発揮させるのだ。
さらにL字サイプと呼ばれる片側を閉じた独自のトレッドパターンで水の流れを抑制。接地面積を最大限に生かせるプロファイル設計などにより、高いグリップ性能を実現した。
●乗ってどうだ?
試乗はスケートリンクでVRX3との比較で実施された。表面にうっすらと水膜が浮き、足をつくとツルツルで立っているのも危険なほどだ。
メーター読み18km/hからフルブレーキングは、ペダルをガツンと踏んだ瞬間の減速感が明らかにいい。
VRX3も高性能だと思っていたのだが、比べると明らかにスッと減速感が立ち上がる。ABSの動作も小さく、氷面を捉えていることがわかる。
レーンを変えて何度か比較テストをしたが、平均してWZ-1が約1.5m手前で止まる。この差は大きな安心感となる。
続いて円旋回。10km/hでジワリとグリップさせながらコーナリングすると、VRX3に比べて30度ほど舵角が小さい。つまり、それだけ滑っていないということ。
ここから切り増した際の反応は、VRX3よりも手応え感があり、ノーズの反応もしっかりとついてくる。性能の進化をハッキリと実感できた。雪道を含めた公道での試乗が楽しみだ。
●BLIZZAK WZ-1のポイント
・新開発「親水性向上ポリマー」配合の発泡ゴムにより、効果的に氷上の水膜を除去
・新開発「L字タンクサイプ」が除去した水を貯めてトレッド面に流さない
・アイス制動11%、アイス旋回4%、ウェット制動5%それぞれVRX3に対し向上




















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