YOKOHAMA iceGUARD 8 iG80
●どんなタイヤだ?
「アイスガード8」で実現した技術をひと言で表現するなら「接触の最大化」だ。路面(氷面、雪面)と接する面積を最大化することで、あらゆる路面コンディションで高いグリップ性能と、確実な操安性を引き出そうということである。
これを表現する技術コンセプトが「冬テック」。
天然由来素材の「水膜バスター」と呼ばれる新素材の配合がポイント。従来の吸水バルーンに対し、大幅に小型化したことでより高密度の配合が可能となった。極々小さな吸水素材がトレッドゴム一面に配合されているイメージだ。これにより水膜との接触密度が63%増加し、吸水量は8%向上した。
さらにショルダー部が広がったブロック形状などで接地面形状を最適化することで接地面積を8%拡大し、ブロック剛性を7%高めた。
溝の量は減らしながらエッジ成分を4%増加させたことで、アイス性能のみならずスノー性能やドライ性能を引き上げている。
●乗ってどうだ?
試乗は2025年2月、旭川にある横浜ゴムのテストコースで実施された。
緻密に氷温管理された屋内氷盤路で30km/hからの制動を試す。
これはとてもわかりやすい進化で、アイスガード7が平均16.5~17mの停止距離だったのに対し、アイスガード8は12.5~13m。20%程度の制動距離短縮が確認できた。ペダルを踏んだ瞬間の「食いつき」がよく、ABSの介入も少ない。停止寸前のABS非作動領域では“ギュギュギュ”と氷面に粘りつく音も聞こえた。
15Rの屋内円旋回では20km/hで滑り出しの限界点を探りながらコーナリングをするのだが、ジワリとアクセルを踏み込んだ時のノーズの粘りが大きい。滑り出し限界速度が2km/hほど高く、滑り出した後の修正にも余裕がある。
雪上でのスラロームでは、アイスガード7も充分なグリップとコントロール性なのだが、8はさらに速度を上げたターンでもしっかりとノーズが入り、リアも粘ってくれる。
緊急回避を想定したコーナリング中のブレーキングでも、圧雪路面に食い込むように軌跡を膨らませることがなく、安心感の高い操縦性を確認できた。
●iceGUARD 8 iG80のポイント
・小型高密度化した「水膜バスター」を配合することで吸水量を8%向上
・ブロック形状、接地面形状の最適化により接地面積を8%拡大。溝の量を減らしながらもエッジ成分を4%増加させ、スノー性能を向上
・アイス制動14%、アイス旋回13%、ウェット3%、ドライ3%、静粛性22%向上


















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