クーラント液を水で代用すると大出費!?
エンジンを冷却する液体がクーラント液。主成分はエチレングリコールやプロピレングリコールで、水と比べて凍結温度が低く、厳寒期でも凍結しない特性をもつ。
クーラント液には防錆剤も含まれており、このおかげでエンジン内部などの金属部をサビから守っている。エンジン内部にサビが発生すると、エンジン損傷や劣化、冷却性能の低下を招いてしまうのでクーラント液の使用は大前提。
クーラント液には寿命が2年程度のLLCや、最近主流の寿命7年程度のスーパーLLCがあり、オイルなどとの混同を避けるために色がつけられている。
LLCでは赤や緑、スーパーLLCではピンクや水色。補充する場合は自身のクーラント液の色を参考に選択しよう。
LLCとスーパーLLCなどを混ぜて使うと、著しく性能を低下させたり、輸入車のなかには取扱い説明書で銘柄を指定しているものもあるので、その場合は同じ種類であっても他メーカー品の混合は避けること。
また、クーラント液は自然蒸発やラジエターキャップの損傷、各接合部などからの漏れによって少しずつ減っていく。
クーラント液のチェック項目は以下のとおり。
●リザーバータンクのFULLとLOWの間に液面があるか?
●クーラント色に濁り、変色はないか?
●明らかな減りはないか?
●ラジエターホースやキャップ周辺に漏れ跡はないか? など。
そしてこのクーラント液の補充を水で行う人がいるが、厳寒期ではラジエターやその経路だけでなく、エンジンブロックさえ凍結によりヒビ割れを生じさせる場合があるので水の補充は絶対に行ってはならない重要事項。万が一、凍結によりエンジン損傷となった場合はかなりの大出費につながるおそれがある。
融雪剤による塩害で愛車の寿命が大きく縮まる!
現代のクルマはユーザーの使用状況を考えて、ある程度の耐寒性能を確保している。しかし、冬の雪道に散布される融雪剤や凍結防止剤への対応はユーザーが行うしかない。
融雪剤や凍結防止剤の成分は「塩カル」と呼ばれる塩化カルシウム、塩化マグネシウム、そしていわゆる塩の成分である塩化ナトリウムなど。
クルマの各金属パーツには主に鉄が使われているが、塗装の剥がれた鉄部や傷の入った部分に水分が付着すると酸化してサビが発生してしまう。このサビと「塩化〜」が結びつくとさらに鉄部の腐食を進めてしまうのだ。
鉄部の腐食は塗装面の下部にも進み、結果的に愛車の寿命をどんどん縮めてしまうので可能な限りサビの進行は止めたいもの。
よって、融雪剤や凍結防止剤が散布された地域を走行した後は、できるだけ早く洗車機や高圧洗浄機で洗い流すこと。洗車機を使う場合は、「下回り洗浄」モードを選びたい。
また、積雪地のほか、海沿いの地域や硫黄の匂い漂う温泉地も金属部にダメージを与えやすいので要注意。帰宅後には必ず洗車する習慣を!
【画像ギャラリー】冬が愛車の寿命を縮める!? 知られざるダメージと防御策(6枚)画像ギャラリー







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