毎年11月のラスベガス、アメリカのパーツメーカーが一堂に介する「SEMAショー」が、2025年も盛大に開催された。無骨と未来が交差する広い会場にショップとクルマ好きが集まる! そんな世界に降り立った日本車たちを紹介するぞ。
※本稿は2025年11月のものです
文:上之園真以、ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2025年12月26日号
砂漠に出現したデッドヒートスポット
歩けど歩けど端にはたどりつかない。砂漠レースを思わせる広大な会場の中を、さまざまなクルマと、ありとあらゆるカスタムパーツが埋め尽くす。
「クルマ好き」とおでこに書いてあるのが読めるほどの熱量を帯びた人々が、歓声をあげ、シャッターを切り、砂埃とともに流れていく。
エキゾーストの匂い、焼けた鉄の光、無数の音が混ざり合うその場所で、日本勢も確かな存在感を放ち、観客の足を止めていた。過酷で壮大な地を駆け抜ける精鋭たちの展示が多いなか、日本車たちはどこか自由で、のびやかに見えた。その空気が何より印象的だった。
トヨタ ターボ トレイル クルーザー
1985年式FJ60に、i-FORCE 3.4LツインターボV6を搭載。クラシックと革新を融合し、レストモッド領域へ挑む。
トヨタ カムリ GT-S コンセプト
インフェルノフレア塗装とローダウンフォルム。引き締まったボディラインに20インチホイールが艶やかなスポーツセダン像を描く。
トヨタ bZ タイムアタック AWD コンセプト
サーキットおよびヒルクライム専用に設計された高ダウンフォースBEV。無音の怒涛が、トヨタの大胆な未来志向を体現していた。
トヨタ カローラクロス NASUエディション
紫がかった特別色が光を捉え、柔らかく大地に溶け込むクロスオーバー。穏やかな表情とタフな存在感を融合させたこの一台は、ブースの中で最も「日本らしさ」を醸し出しており、カメラを向ける人が絶えなかった。色が好きという声も多く聞こえてきた。
ホンダ パスポート トレイルスポーツ HRC コンセプト
ニューモデル2026年型をHRCが強化。オーバーランディングをを想定し、走破性、ボディ保護、照明、ユーティリティにいたるまであらゆる機能を徹底的に進化させた。プロトタイプのホイールも高い完成度を誇る。アドベンチャー志向の新時代SUVだ。
ホンダ シビックタイプR HRC ラリー XP
F1ドライバー、リアム・ローソンとオフロードテストを終えたばかり。数々のプロトタイプパーツを搭載、公道走行可能な仕様で、アメリカンラリー参戦を見据える。量産車の先にある、挑戦の鼓動が聞こえた。
日産 フォルスバーグ レーシング パトロール
伝統的なY60世代パトロールに日産TB48ターボチャージャー付き4.8L直列6気筒エンジンを搭載し、1000psの最高出力を実現。富士山登頂で知られるオフロードスピリットを現代に継ぐ。




























コメント
コメントの使い方