バスは車体が大きいので、運転には気をつかいます。常にまわりの動きを予想しながら運転していますが、自転車は予測できない動きをすることが多く、ハッとすることがたびたびあります。現役の路線バス運転手の筆者が実際に遭遇した自転車の危険運転を紹介します。
文:運屋フランク(Team Gori)/写真:写真AC
見えないところから車道に飛び出す
自転車は原則、車道を走らなければいけませんが、依然として歩道を走っている姿を多く見かけます。なかにはかなりのスピードを出して走っている自転車もあります。
そのような自転車が車道に飛び出すと、バスにとって非常に危険な状況になります。最も危険なのは、植え込みなどでブラインドになっている歩道からの飛び出し。運転手も驚いて、急ブレーキや急ハンドルの回避行動をとることになるので、車内事故のリスクが高まります。
自転車の逆走と自転車同士のすれ違い
自転車は車両なので車道の左側を走るのが決まりです。しかし、それにもかかわらず逆走してくる自転車がいます。相対的にバスに近づく自転車の速度が速くなりますので、バス運転手も危険を感じます。
さらに危険なのは、ルールを守って左側を走っている自転車と逆走自転車がすれ違うような場面です。バスが迫っているにもかかわらず、逆走自転車が車道の真ん中寄りに膨らんでくるので、運転手は回避行動をとります。自転車の運転者は大丈夫と思っていたかもしれませんが、円滑な交通の流れに大きな影響を与えることを知ってほしいです。
自らを危険な状態にさらしている無灯火走行
日が暮れるのが早くなる秋冬は、早めにライトをつけるように会社から指示されます。自分の存在を相手に知らせるための防衛運転ですね。12月に入るとあっという間に暗くなりますが、そのような状況でもライトをつけずに走る無灯火自転車が後を絶ちません。
無灯火の自転車は、運転席からは黒く見えるため発見が遅くなります。それは事故に遭遇しやすい状態です。なかには無灯火で車道に飛び出し、さらに逆走してくる自転車もいます。ライトをつけることは自らの安全を守ることと意識しましょう。
2026年4月1日からは自転車に対する交通ルールがより厳しくなり、自動車と同じく青切符制度が導入されます。自転車を運転する際は、自分も交通社会の一員であるということを強く意識して、安全第一でお願いします。
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