すでにレギュラーガソリンがリッター100円台に突入している
スーパーの特売商品のように、客寄せとしてガソリン価格を大幅に値引きすれば、常連客を獲得することができるんじゃないだろうか、と思う人もいるだろう。
しかし、それができないのは、これもガソリン価格の内訳があまりにも特殊なことも影響している。そもそもガソリンや軽油という商品は、小売りでの利益は1Lあたり5円程度と超薄利多売なのである。
だから大部分のガソリンスタンドは、一定量を販売することで元売り会社から販売奨励金というキックバックを受けることで利益を確保しているのだ。
なんといってもガソリンや軽油の価格の半分は税金なのが大きい。前述の通り、原油価格が3分の1になったら、ガソリンの価格も3分の1近くになってもいいんじゃないかと思うのだが、ガソリン価格のうち、原油コストが占める割合は5割弱。
ということは、原油価格が3分の1になっても値下げ要素は3割程度しかない。それでもまだガソリン価格には1割分しか反映されていないから、まだ2割近く下がる可能性が高い。
前述したように102円、103円と、すでにレギュラーガソリン価格が100円台に突入しているガソリンスタンドが全国で37ヵ所ある(4月4日時点。gogo.gs)。
レギュラーガソリンの全国平均価格を見ると130.7円( gogo.gs )で、石油情報センターが発表した全国平均価格は136.3円(3月30日時点)。
今後、レギュラーガソリン100円台のガソリンスタンドがさらに増えていき、全国平均価格が下がっていくのは間違いない。
ただし、ガソリンの小売価格に原油価格が反映されるまで1ヵ月くらいのタイムラグがあると言われており、さらに実際に元売り会社が原油を取り引きするのは1年後の現物なので、先物市場の相場通りとはいかない部分もある。
そして諸外国の新型コロナウイルスによる外出禁止令が解除されて、日常を取り戻したとしても、リモートワークなど新しい就業スタイルが普及したことや失業者が増えたことなどで、そう簡単には元通りの経済活動にはならないだろう。
そうなると、ガソリン価格が安くなったとしても、消費はそれほど伸びないかもしれない。 消費が伸びれば原油価格は再び上昇するから、ガソリン価格は再び値上がりすることも予想できる。
景気が良くなればガソリンは値上がりするのなら、庶民の懐にも還元されるようになってほしいものだ。そうなれば、ガソリン価格の上下で、一喜一憂する必要もなくなるのだが……。
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