国の委託を受けてガソリン価格を調査している、 (財)日本エネルギー経済研究所・ 石油情報センターが2020年3月30日に調査したレギュラーガソリンの全国小売平均価格は、1Lあたり136.3円で前の週より3.3円値下がりした。
この価格は2017年10月の調査以来2年5ヵ月ぶりの低い水準で、10週連続の値下がりとなった。
なぜこれほどまでにガソリン価格が下落したのか? 新型コロナウイルス拡大の収束が見通せない状況が続いているが、今後さらにガソリン価格が下がっていくのか? 自動車テクノロジーライターの高根英幸氏が解説する。
文/高根英幸
写真/ベストカーWeb編集部 Adobe Stock
取材協力/「gogo.gs」
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なぜこんなにガソリン価格が下がったのか?
全国のガソリン価格が急激に下がっている。この10週間連続して値下がり傾向が続いており、この間まではレギュラーガソリンの価格だったレベルがハイオクガソリンの価格になっている印象だ。
(財)日本エネルギー経済研究所・石油情報センターが4月1日に発表した「全国小売価格」で、2020年3月2日の全国平均価格と、約1ヵ月後の30日の価格を比べると、ハイオク(158円/147円)、レギュラー(148円/136円)、軽油(128円/118円)といった具合に、すべての品目がほぼ1Lあたり10円安となっている。
これには地域差もあり、北海道での値下がりが特に顕著で、こちらは1Lあたり16~17円値下がりしていて、ほぼ1割安といった状況。関東と近畿、九州地方では、比較的値下がり幅が小さい。
ガソリンスタンド同士でお客を取り合う状況になって、値下げ合戦になっていると想像できる。
北海道の値下がり幅が大きいのは、新型コロナウイルスの感染者数が上昇したことから、本州との往来を停止していることと、それに伴って道内の移動も自粛する方向になっており、ガソリン消費が大きく落ち込んでいることが影響しているのだろう。
全国のドライバーが投稿することで、ガソリンスタンドの実勢価格を算出するサイトgogo.gsをみると東京都のレギュラーガソリンの平均価格は132円、ハイオクガソリンの平均価格は142円(4月1日時点)と石油情報センター(同138円/150円)より安い。
これは価格を明示しているスタンドやセルフスタンドが主な対象であり、フルサービスで店頭で価格を表示していない単価が高めのスタンドはあまり反映されていないからだろう。
しかし、どちらも価格の推移をみれば、傾向はまったく同じで(当たり前だが)、最近の価格推移では2018年10月をピークに全体としては下降傾向が続いている。
このサイトを見て驚いたのは全国の最安価格とガソリンスタンドがわかることだ。2020年4月4日現在の最安値はレギュラーガソリンが102円(札幌市)、ハイオクガソリンが110円(東京都)、軽油が81円(香川県)となっている。
価格の推移をグラフで見ると2020年3月末から4月2日にかけていったん、価格の下降は緩やかになって横這いのようにも見えるが、それは今までと比べれば、という話で、より長期的に見れば、まだまだガソリン価格は下降していくという見方が濃厚だ。
というのも、しばらくはガソリン価格が上昇する材料はほとんど見当たらないからだ。
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