関税ゼロのはずが通関費用がまさかの30%!!? 通関でまさかの「痛感」 ブラックボックスの税関はなんでも「やり放題」なのでは?

関税ゼロのはずが通関費用がまさかの30%!!? 通関でまさかの「痛感」 ブラックボックスの税関はなんでも「やり放題」なのでは?

 ラリーに精力的に参戦し、昨年は若手育成を掲げて新たなステージに挑んできたジャーナリスト・国沢光宏氏。2026年はラリージャパンへの参戦を目論んでいたが、なんとここにきて「通関」に悩まされることに。いったい何があったのか?

文/写真:国沢光宏

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非関税障壁から見えた「輸入車不振」の根源

自動車部品については関税がないはずなのだが、税関がややこしい仕事を増やしている
自動車部品については関税がないはずなのだが、税関がややこしい仕事を増やしている

 最初に結論から書いておく。我が国は自動車関連の輸入関税がゼロだと主張している。しかし実際に海外から自動車部品を取り寄せると、関税の対象にならない自動車部品かどうか厳しいチェックを受けることになり(生産国のデータまで出せと言われます)、現物を見るまで関税ゼロの対象と認定しない。結果、通関費用だけでなく通関に1ヶ月も掛かってしまう。ほぼ嫌がらせです。

 今まで何度か「我が国は自動車関連についての非関税障壁などない」と書いてきた。実際、自動車や自動車部品についちゃ関税なし。日本の市場で外国車が売れないのは、売る側の努力不足ということ。これ、間違った認識でした。我が国の非関税障壁は依然として大きく、しかも不公平である。

 加えて役人の御機嫌を伺わなくちゃならない--ということが先日ハッキリ解った。 昨年のラリージャパンに出場すべく、フランスから部品を買うことにした。売り主はフランス政府が株主であるルノー傘下のアルピーヌ。怪しさ皆無。輸入業務は日本で有数の伝統ある『日本通運』にお願いした。ちなみに日本通運の初代社長である国沢新兵衛氏、縁戚です。

開封済みの印があった荷物
開封済みの印があった荷物

 オーダーした部品はブレーキローター2枚。ドライブシャフト2本。ナックル2つなど47kg。31万7500円分だ。 航空便だと運賃だけで18万円くらい掛かるというので最も安い船便の混載にしてもらう。その際、日本通運から送り主のアルピーヌについて詳しく聞かれ、部品の使い道を含めた内容やパーツリストなどの提出を求められた。

 どうやら税関が厳しいらしい。日本通運のようにしっかりした企業であっても、アルピーヌであっても禁制品(拳銃や麻薬?)を送る可能性あると疑っている?  どうやら日本通運は通関の際、パーツリストや荷姿の写真なども提出したようだ。

 関税ゼロの自動車部品を輸入しようとするだけで、猛烈な工数が掛かる。日本通運からの問い合わせメールだけで30本以上になった。参考までに書いておくと、2年前、フランス取材の帰りに同じくらいの部品を手荷物として持って帰ってきた時は、羽田空港の税関で内容を聞かれただけ。

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EU圏内で調達したパーツの生産地を全部答えろって?

3個口の荷物でひとつだけ開封されていた。税関検査に持ち込む費用など考えれば本当に必要な検査なのか謎だ
3個口の荷物でひとつだけ開封されていた。税関検査に持ち込む費用など考えれば本当に必要な検査なのか謎だ

 現地の日本通運も荷物の内容を確認し、問題ないとなりアルピーヌで部品をピックアップしたのが2025年7月21日。混載は時間掛かると聞いていたけれど、8月5日に現地を出航。9月21日に日本着。通常だと10日間もあれば通関出来るという。なのに事前に山ほど書類を出したにも関わらず東京税関から「全てフランス製か?」みたいな答えられない嫌がらせが次々と。

 EU域内で調達した部品の生産国なんか調べられない。欧州車に使われている部品の生産国リストを出せ、なんてリクエストされたら、もう「輸入させない!」と言われたようなもの。これまた丁寧に説明しなければならなかった。船が着いて1ヶ月以上経った10月27日に「部品を税関に持ち込んで検査されることになりました」。

 日本通運の倉庫から税関に持ち込む費用が3万円!  あまりに理不尽なので「通関検査に立ち会いたい」と言ったら税関担当者から「不可」と言われたそうな。加えて全数持ち込み検査の対象になるのか聞くと「ランダムだ」と言われたという。

 アルピーヌが送り主で日本通運が運び、荷受人はネットで検索すればすぐ解る。ランダムで検査するにしても、優先順位からすれば低い。まぁ盗んだクルマを平気でスルーするのが税関です。 しかも持ち込ませたなら全ての荷物(箱にして3つ)をチェックすればいいのに、開けた形跡あるの一つだけ。嫌がらせ以外、何物でも無い。

検査をすることは問題ない、しかしするならするでキチンとやるべきだし、不要な仕事をして民間に迷惑をかけていては意味がない
検査をすることは問題ない、しかしするならするでキチンとやるべきだし、不要な仕事をして民間に迷惑をかけていては意味がない

 結局、自宅に荷物が届いたのは11月4日。海上100日。日本に船が着いてから45日。海上運賃は2万5千円。通関に掛かった費用が9万8千円。31万7千円の部品を日本に送るとトータル51万5千円。これ、日本は関税ゼロと言ってる自動車関連の実情だ。

 今年、トランプ大統領のご機嫌を取るためアメリカ生産の日本車を輸入することになる。おそらく税関や国交省から様々な嫌がらせを受けるんだろうな、と思う。日本通運みたいな企業ですら東京税関に対する徹底的な低姿勢ぶりを見ると、役人って強いらしい。そういった輩を付き合う仕事をしている人は本当に大変ですね、と思った次第。良い取材になりました。

 さて! バッチリ修理したルノー・クリオながら、今年ラリージャパンに出場しようとすると、ホモロゲが切れているシート2脚を交換しなければならないことが判明。現地価格は74万5千円。時間ないため航空便で日本に運び山ほど書類出して通関すると100万円以上掛かりそう。年初「参戦します!」とイキッたものの、早速凹んだ。どうしようか思案中でございます。

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