ベストカー本誌で試乗レポートを掲載したクルマに、その時とは別の人物3名が乗ってそれぞれに評価。ここでは、2025年5月に追加されたトヨタ カローラクロス GRスポーツを、山本シンヤ氏、島下泰久氏、徳田悠眞氏が試乗評価する!!
※本稿は2026年2月のものです
文:山本シンヤ、島下泰久、徳田悠眞/写真:ベストカー編集部、トヨタ
初出:『ベストカー』2026年3月10日号
運転を楽しませるGR流クロスオーバー
日常使いのSUVにGRのスパイスを効かせた「カローラクロス GRスポーツ」は、まさに意欲作だ。
専用サスペンションやボディ剛性の強化によって、ステアリングを切った瞬間の応答性は明らかに別物。スポーティな専用内外装に身を包みながらも、広い室内や使い勝手のよさは健在で、走りと実用性を高次元で両立させる。
速さを競うのではなく、運転そのものを楽しませるGR流クロスオーバーとして確かな個性を放つ。
本誌では、2025年11月10日号で国沢光宏氏が試乗。辛口な国沢氏も「カローラクロスを含め、フロントデザインの変更は大成功だと思う」と唸らせた。
カローラクロス GRスポーツのレビューを担当するのは、山本シンヤ氏、島下泰久氏、徳田悠眞氏の3名だ。
山本シンヤが乗って評価:「日常に丁度いい刺激をくれる懐の深いGR思想」
エクステリアは最新のGR顔だが、ノーマルよりもスマートな印象。インテリアはブラック×シルバーのコーディネートで質の高さを感じるが、価格を考慮すると装備面(ノーマルには装備される助手席電動シート/シート空調)はもう少し奢ってほしい。
パワートレーンはカロクロ唯一の2Lハイブリッドで、軽快に感じるくらいの力強さが印象的だ。ドライブモードのスポーツはトヨタHEV初となるアクセルオフ時にエンジン停止をしない制御を採用。コーナリング中のアクセルコントロールのモタツキが抑えられ、むしろノーマルモードより乗りやすいと思う。
走りは「目線が高いカローラツーリング」で、SUVでありながら俊敏なノーズの入り、よりダイレクトな応答、より姿勢変化を抑えたクルマの動きが印象的だが、走り一辺倒ではなくカローラの「懐の深さ(誰でも安心して自然に扱える)」は不変だ。
乗り心地は硬めだが入力のカドの丸さや無理に抑え込まないスッキリとした減衰感により、快適性はスポーツ系にしては良好。ただ、路面のザラつきが伝わるのと路面変化に左右されがちなロードノイズは少々気になった。
総じて言うと、ファミリーカーとしての実用性を損なう事なく、GRの「もっといいクルマづくり」の知見が色濃く感じられるモデルで、「クルマ好きのためのノーマル」と言える。そういう意味では現代版のカローラセダン1600GTのような存在かなと。
●ポイント採点チェック
・ハンドリング:9点
・エンジンフィール:8点
・乗り心地:8点
・燃費:9.5点
・オススメ度:9点
島下泰久が乗って評価:「レスポンスと接地性アップで日常スポーツモデルの完成形へ」
ついに登場のカローラクロス GR SPORTは、内外装にサスペンション、ボディ、シャシーに手を入れたうえに、パワートレーンまで専用としている。ハイブリッドシステムに組み合わせるエンジンが1.8Lから、2Lに改められているのだ。
これにより最高出力は140psから一気に199psへ。E-Fourとの組み合わせは、走りの余裕を俄然増していて、普段は至極快適だ。
一方、「SPORT」モードを選べば、回転数が高めに維持されて、小気味よいレスポンスを得ることもできる。10速シーケンシャルシフトマチックとのマッチングは上々である。
シャシーも秀逸だ。乗り心地は硬くないのにロールは最小限で、操舵応答は正確。スーッと向きが変わっていく。これは内輪の接地性を高めるリバウンドスプリング内蔵のダンパーをはじめスプリング、ブッシュ類の強化、ボディ補強といったメニューの賜物。19インチのADVAN FLEVAを見事に履きこなしている。
ちなみに開発陣によれば、このしなやかな乗り味は、スタッドレスタイヤ装着での雪道も楽しめる仕付けになっているという。そう、地域も天候も選ばず、スポーツ性を高めただけでなく快適性も懐深さも向上しているのが、カローラクロスGR SPORTなのである。
●ポイント採点チェック
・ハンドリング:9点
・エンジンフィール:7点
・乗り心地:8点
・燃費:9点
・オススメ度:9点



















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