■「愛犬や家族の一員のような存在に」
2020年1月に幕張メッセで開催された東京オートサロン2020、その三菱ブースにて最も注目されていたモデルが、デリカD:5「eyeキュート」だった。
『ベストカー』本誌で20年以上連載を続け、自らもデリカD:5アクティブギアを愛車とするテリー伊藤氏が、「愛犬や家族の一員のような存在」をコンセプトにして、このショーモデルをプロデュースした。
【画像ギャラリー】 「こだわり」満載 デリカD:5 eyeキュートの雄姿
通常この手のショーモデルは一度製作され各地のモーターショーを回ると、そのあとはお払い箱となる運命が多いが(保管しておいても「財産」と見なされ税金がかかるので、多くの場合は処分されてしまう)、この「eyeキュート」は、なんとテリー伊藤氏が(自らのデリカD:5アクティブギアと引き換えて)愛車として乗り続けるという。
その納車式が、東日本三菱自動車販売の目黒店で実施された。
■「賛否両論あると思う」テリー伊藤
編集部 納車おめでとうございます。いまのお気持ちをお知らせください。
テリー伊藤氏(以下、テリー) やっとリアルに道を走れる、と喜びでいっぱいです。ショーウインドウに飾ってあったものが手元に届いたような気持ちですね。やっぱりクルマって、太陽の光の下で見たり、雨に濡れている姿を眺めたり、夜の街のネオンがボディに反射したり、自分の生活、「日常」に入ってくるじゃないですか。それがワクワクしますよね。
編集部 どれくらい待っていた感覚ですか。
テリー それは…(「丸目のデリカがあったらもっといいな」と思っていた頃からなので)デリカD:5が発売された頃(2007年1月)からですよ。船の浸水式のような気分です。
編集部 この「eyeキュート」を製作するにあたり、特にこだわったポイントを挙げるとしたら、どんなところですか?
テリー それはもう全部ですよ。フロントマスクも、リアフェンダーも、シート地も、内張りも、全部こだわりました。製作スタッフの皆さんは本当によく頑張ってくれたなと思います。正直いって、僕はクルマ作りの素人じゃないですか。それが「こんなクルマがいいと思うんだよね、こうしてください」って言うのを受け入れるのは抵抗もあったと思うんです。自分の立場でいうと、素人がテレビ局にやってきて、「テリーさん、こういう番組のほうが面白いよ、ここはこう変えてよ」と言い出すようなものじゃないですか。
編集部 な、なるほど。
テリー それを乗り越えていただいて、本当にありがたい話です。
編集部 この「eyeキュート」、どういうふうに使いたいですか?
テリー それはもう普段どおりに使います。仕事へ行くのも、休みの日に出かけるのも。家族のような存在になれたらいいなと思っています。
編集部 読者の皆さんに伝えたいことはありますか?
テリー デリカってやっぱり伝統のある車種なので、こういうふうに今風にカスタマイズすることに対しては、賛否両論あると思うんですね。「かわいい」と言ってくれる人だけでなく、「オリジナルのほうがいいじゃん」と思う人もいると思います。そうやって議論が起こればいいなと考えています。僕の自己満足で終わらずに、話題になってほしいですね。そのためにも、いろんなところに乗っていきたいです。
今回の納車式には、サプライズゲストとして(テリー伊藤氏の古い盟友でもある)益子修三菱自動車会長も登場。さっそく話を伺うと、
益子修会長 テリーさんといえば、クルマ好きの代名詞のような方で、そういう目利きの方にデリカD5を気に入ってもらえるのは、本当にありがたいです。これをキッカケにして、さらにデリカD5の素材のよさ、潜在能力が広まってほしいですね。
とのコメントをいただいた。
なお益子会長にコメントをいただいているすぐ横で、テリー伊藤氏が会長に「これ商品化してくださいよぜひ!」と叫んでいたことを付記しておきたい。
文:ベストカーWeb編集部 写真:西尾タクト
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