2026年で3回目となる日産自動車大学校による八丈島での「ドクターKプロジェクト」。無料で島民の皆さんの車両を点検し、島内の整備工場と繋ぐというものだ。毎年評判が高まり、リピーターも増えているのがとても嬉しいところ。離島ならではの事情と、本気で挑む学生の奮闘をお届けしよう。
文/写真:ベストカーWeb編集部、学生レポート:日産京都自動車大学校N学生
【画像ギャラリー】地道な活動で広がる「整備の輪」 学生たちが挑む離島でのチャレンジ(7枚)画像ギャラリー台風被害を乗り越えた八丈島でどう受け入れられるか?
八丈島は東京都の離島だが、実は羽田空港からANA便が1日3便も飛んでいる利便性は高い離島だ。いつも首都圏上陸前に台風の直撃を受ける八丈島だから、どちらかというと台風時の生中継で記憶に残っている人も多いだろう。
実は日産自動車大学校はこの八丈島で「ドクターKプロジェクト」という、地域の自動車点検イベントを実施している。同島に別邸を構える国沢光宏氏の発案のイベントで、すでにご存知の人も多いと思うが、無償で国家二級整備士資格を持つ学生が島民の車両を点検して、地域の自動車工場との橋渡しをするイベントだ。ちなみにメディアも国沢さんも無償での協力だ。
2026年3月に無事にイベントは終了したのだが、実はこのイベント本来は2025年10月に予定されていたもの。しかし超大型の台風の直撃被害があり、イベントは順延となっていたのだ。多くの島民の皆さんが傷つき、しかしながら強く復興を目指しているところでこのイベントがどう受け入れられるかドキドキしていたのは事実だ。
日産自動車大学校の担当者が東奔西走する姿を見て、ベストカーWebとしてなにか島の皆さんを楽しませることができないか、と考える日々が続いた。そこでダメ元で世界のタミヤにコラボを依頼。島のお子さまにミニ四駆を無料で体験するコーナーを設置するなどパワーアップに貢献できたと思う。
今回はベストカーWebがスーパーGTで学生広報班を無償支援しているのだが、編集長の「教え子」のなかから、日産京都自動車大学校のNくんに記事を執筆してもらったぞ。まだまだ荒いところもあるが、編集部で手直しをしていない「生」の学生の声をお届けしよう! 以下の原稿と写真は同学生によるもの。プロ顔負け。
実習では味わえない車両の「リアル」
2026年3月14日から16日までの3日間にかけて、八丈島にて行われたDr.Kプロジェクト。ここからは日産京都自動車大学校の学生広報を務めるNが担当し、お客様の目の前でおクルマを点検し、結果説明まで責任をもって行うという、普段の実習と全く異なる環境下での今回の活動を通して感じたことをレポートする。
活動全体を通して強く印象に残っているのはやはり、車両の状態だ。過酷な状況だからこそ現れる不具合などに出会うことができた。その中でも特に深く印象に残っているのが、錆とタイヤの状態だ。これには、私も含め、多くの学生が驚愕していた。
内陸部のクルマでも錆は見受けられるが、沿岸部では、潮風などによる塩害によって、その何倍もの早さで錆が進行していく。そのため、錆による不具合が発生するリスクが高い。実際に、これが原因でウォッシャー液が出ないクルマやブレーキの効きが甘くなったクルマもあった。
今回入庫していただいた、現行車両のマフラーが錆始めていたことからも、塩害がもたらす錆の脅威がどれほどのものなのかがわかる。
また、島内の道路はアップダウンが激しいうえ、カーブも多く、タイヤにかかる負荷が大きい。そのためか、タイヤに不良を抱えた車両が多くあった。私が担当したクルマで、タイヤ溝の深さを測定してみると、なんと1.4mmということがあった。
国土交通省が定める保安基準では、タイヤの溝は1.6mm以上あること、となっているので、このままでは車検に通らないうえ、安全性も担保できない。そんなクルマが入庫してくるよ、とは先生方から事前に聞いてはいたが、実際に目の前にすると、正直なところ驚きが隠せなかった。
他にも、ワイヤーが見えているタイヤ、サイドウォールが膨らんでいるタイヤがあった。どれも安全性に大きな影響を与えるため、早急に処置を施す必要がある不具合だ。ディーラーでもめったに見られない不具合を抱えたクルマが見られたのは貴重な経験だった。












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