2026年2月、N-VAN e:の競合車となるダイハツ e-ハイゼットカーゴが登場。当初はN-VAN e:より安価になると思われていたが、実際はe-ハイゼットカーゴのほうが高額。そこにはダイハツのある思惑が見えるという。いったい何だ!?
※本稿は2026年2月のものです
文:国沢光宏/写真:ダイハツ、ホンダ
初出:『ベストカー』2026年3月26日号
三社共同開発の商用軽EVいよいよ登場
発売前、トヨタやスズキでも販売されるダイハツの電気商用車e-ハイゼットは、スケールメリットを活かしホンダ N-VAN e:より大幅に安いと思われていた。
が、価格を見たら314万6000円と、N-VAN e:の売れ筋グレード『L4』270万円より高い。なぜか? 取材を進めていくと、ダイハツの電気自動車戦略など見えてきた。興味深い情報をいくつか。
まずe-ハイゼットの価格だけれど、装備面を考えれば決して高くない。
N-VAN e:の場合、急速充電ポートは11万円のオプション。いつも書いているとおり普通充電器も6万6000円のオプション。外部に100Vを取り出そうとすればオプション。
フロアマットもオプション等々、e-ハイゼットでは標準装備な前出アイテムをN-VAN e:に付けていくと301万円。電池容量の差など考えれば同等になる。
加えて販売目標台数300台/月と少なめ。どうやらダイハツとしては「電気自動車のニーズはそれほど多くない」と考えたんだと思う。
そんなことからe-ハイゼットは少量生産車用の工場で作られる。生産コストを考えると割高になるが、N-VAN e:の価格と同等なら利益を上げられるという判断なんだろう。なかなか鋭い“読み”だと思う。N-VAN e:の販売台数、300台/月程度です。
登場遅れが車両の安さには繋がらず
ここまで読んで「今の価格だとBYDにやられちゃいますね!」と思うかもしれない。
さて、ここからが面白いところ。文頭に書いたとおりe-ハイゼットは3社の共同プロジェクトであり、本来なら2年前に発売される予定だった。
したがって電池(BYD製のリン酸鉄リチウム。燃える心配なし。寿命も60万km以上)も2年前のスペックと考えていいだろう。いろんな意味で最新と言えない。
加えて、聞けばスズキのリクエストも多かったらしく、eアクスル(モーター+インバータ+駆動ギア)は共同開発だという。ダイハツからすれば割高。しかも高いコストを承知で“ほぼ”手作り生産。そのうえで最新といえない電池を使う。
ここまで読めば慧眼の読者諸兄なら察することだろう。ダイハツにとって名刺のようなもの。主役が控えていると私は考える。
2年後になるか3年後になるか不明ながら、ダイハツがジャストインタイムで出してくる軽電気商用車は量産ラインで作ることはもちろん、eアクスルや電池まで違うパーツになる可能性大。
当然ながら少なくなった補助金でもエンジン車と同等の価格を目指すだろう。もちろん乗用車だって同じ。それまではリーズナブルな新世代ハイブリッドが主力になると考える。
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