2007年に登場した三菱「デリカD:5」が、2025年度に国内で2万6379台を販売し、過去最高の販売台数を記録しました。デビューから19年が経過したロングセラーモデルが、なぜいま絶好調なのでしょうか。
文:吉川賢一/写真:MITSUBISHI
【画像ギャラリー】デビュー19年目で過去最高販売を記録!! ミニバンの快適性と、本格SUVの悪路走破性を融合したオールラウンダーミニバン 三菱「デリカD:5」(17枚)画像ギャラリー本格SUVのDNAを受け継ぐ“走れるミニバン”
三菱「デリカD:5」は、ミニバンの使い勝手と、本格SUVの悪路走破性を融合したオールラウンダーミニバンです。1968年に商用車から始まった「デリカ」(初代・2代目)ですが、1979年に登場した「デリカスターワゴン」からは乗用モデル(基本設計は商用車と共通)のワンボックスカーとなり、1994年登場の「デリカスペースギア」では、名車「パジェロ」のメカニズムをベースとしたことで、オフロードに強いミニバンという独自の地位を確立。アウトドア派から熱狂的な支持を集めるようになりました。
現行モデルの「デリカD:5」は、2007年に販売開始。ちなみに車名のD:5は、「デリカ(D)」として5代目であることを意味します。3列シートとスライドドアを備えたミニバンでありながら、185mmという高い最低地上高を確保し、電子制御4WDシステムを採用。4輪のグリップを制御する「AWC」や路面状況に応じて駆動力配分を切り替えるドライブモード「4WDオート」などを組み合わせることで、雪道や未舗装路でも高い操縦性と安定性を発揮します。
さらにボディ骨格には、ミニバンとしては珍しい環状骨格構造「リブボーンフレーム」を採用。モノコックでありながら高い剛性を確保し、悪路走行時の耐久性や操縦安定性を高めています。大径タイヤを履きながらも、3列シートと両側スライドドアを成立させている点も、デリカD:5ならではの特徴です。
2012年には、最高出力148PS、最大トルク360Nmを発生する2.2Lクリーンディーゼルターボ「4N14」を追加。2019年の大幅改良では、フロントマスクに「ダイナミックシールド」を取り入れ、縦型のLEDヘッドライトを採用するなど、デザインを一新して大きな話題となりました。
このほかにも、内外装の質感向上や静粛性改善などはこまめに行われており、特別仕様車も数多く設定されてきました。とくに2020年の「JASPER」、2023年の「CHAMONIX」、そして2024年の「BLACK Edition」などは印象に残っている人も多いでしょう。
20年目を迎えても進化を止めないデリカD:5
そんなデリカD:5の直近10年の販売台数を見ると、右肩上がりに販売台数を伸ばしていることがわかります。2015年頃は年間1万台前後だった販売台数は、2019年の大幅改良をきっかけに大きく伸長。2020年はコロナ禍の影響などもあり一時的に落ち込んだものの、その後は再び右肩上がりとなり、2025年には直近10年の年間販売台数(1月~12月)において最高販売を記録しました。
年度単位(4月~翌3月)で見ても、これまでの最多だった2007年度を塗り替え、2025年度は2万6379台というデリカD:5として過去最高となる販売台数を叩き出しています。
この勢いを後押ししたのが、2026年1月に発売開始となった大幅改良モデルです。2026年2月の登録台数は3,378台(前年比146.3%)、3月は3,699台(前年比134.1%)と、1月までの月間平均2000台を超えて大きく飛躍。2025年10月から予約注文が開始となっていたため、この大幅増は改良モデルの効果とみられます。
この大幅改良の目玉は、三菱自慢の車両運動統合制御システム「S-AWC」の採用です。従来のAWCに加え、AYC(アクティブヨーコントロール)やASC(アクティブスタビリティコントロール)、ABSなどを統合制御することで、旋回時や滑りやすい路面での安定性をさらに高めました。
走行モードも「NORMAL/ECO/GRAVEL/SNOW」の4種類を設定。とくにGRAVELモードでは、砂利道やぬかるみで空転を抑えながら駆動力を配分し、悪路脱出性能を向上させています。ヒルディセントコントロールも新採用され、急な下り坂でも車速を自動制御しながら安定した走行が可能です。
内装面でも進化は大きく、8インチカラー液晶メーターを新採用。4WD制御状態や走行モードをリアルタイム表示できるようになったことで、クルマの制御状況が把握しやすくなっています。加えて、スエード調素材と合成皮革を組み合わせたシートやカーキステッチ、USB Type-Cポート追加など、アウトドアユースを意識した改良も実施。従来の「武骨な走れるミニバン」から、長距離移動も快適にこなせる上質なクロスオーバーモデルへと進化しています。





















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