高性能タイヤほど早く交換する羽目に!? 知らないうちにタイヤを削っている「あの運転」の正体とは!?

高性能タイヤほど早く交換する羽目に!? 知らないうちにタイヤを削っている「あの運転」の正体とは!?

 タイヤの性能は年々向上している。ところが「最新タイヤに替えたのにすぐ減る」という声がカーディーラーやタイヤ専門店に増えているという。その意外な原因と、タイヤを長持ちさせる運転術を解説していこう。

文:佐々木 亘/写真:ベストカーWeb編集部、ブリヂストン、ミシュラン

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性能が上がるほど「寿命が短い」という矛盾

年々タイヤ性能が向上しているがゆえに、性能を過信した運転になり摩耗が進んでしまう事案が発生している。
年々タイヤ性能が向上しているがゆえに、性能を過信した運転になり摩耗が進んでしまう事案が発生している。

 タイヤの技術革新は目覚ましく、グリップ性能やウェット性能、静粛性、ロングライフ性能のいずれも年々向上し続けている。ところが、カーディーラーやタイヤ専門店では近年、「性能の良いタイヤに替えたのにすぐ減ってしまう」というユーザーからの声が増えているという。

 物価高や円安を背景にタイヤ価格が上昇し続けているなか、せっかく奮発した高性能タイヤが短命に終わるのは大きな痛手だ。静粛性を売りにしたコンフォートタイヤ、スポーツ性能を重視したスポーツタイヤ、そして乾燥路面での快適性を高めたスタッドレスタイヤなど、これらハイグレードなタイヤほど摩耗が早まる傾向があるという。いったいなぜなのか。

タイヤを最も削るのは「ブレーキ」だった

高性能タイヤはグリップ性能やハンドリング性能が上がるため、自然とスポーティーな運転になりやすいが、その分タイヤに頼った運転になりやすい。
高性能タイヤはグリップ性能やハンドリング性能が上がるため、自然とスポーティーな運転になりやすいが、その分タイヤに頼った運転になりやすい。

 タイヤ専門店のスタッフは、その原因をこう説明する。「タイヤを減らす一番の原因はブレーキです。性能が高いタイヤに替えると、クルマの動きが軽快になり、ドライバーの加減速も自然と積極的になります。平均速度が上がり、ブレーキをかけるタイミングが遅くなっても、タイヤが音を立てずしっかり止まってくれる。そうなるとブレーキを多用するようになり、これがタイヤの寿命を大きく縮めているのです。」

 スタッドレスタイヤを例に考えると、わかりやすい。一昔前のスタッドレスは、乾燥路面でのフラつきが大きく、スピードを上げて走ろうという気にはならなかった。それが今では、乾燥路面でも夏タイヤに劣らない静粛性と操縦性を持つモデルが増えている。その結果、ドライバーは夏タイヤと変わらない感覚でアクセルとブレーキを踏み込むようになり、柔らかいコンパウンドのスタッドレスが急速に摩耗してしまうのだ。

 「雪上性能が高ければゴムが柔らかいから減りやすい」という思い込みも間違いではないが、本質的な原因はタイヤの高性能化がドライバーの運転スタイルそのものを変えてしまっている点にある。

激しい加減速はタイヤだけでなく燃費も損なう

高性能なタイヤを履いていたとしても、急ブレーキや急加速などを繰り返してしまっているとこのような偏摩耗が発生してしまい、タイヤ性能が大きく低下してしまう。
高性能なタイヤを履いていたとしても、急ブレーキや急加速などを繰り返してしまっているとこのような偏摩耗が発生してしまい、タイヤ性能が大きく低下してしまう。

 急ブレーキや急加速を繰り返す運転は、タイヤの摩耗を加速させるだけではない。燃費の悪化にも直結し、同乗者に不快な揺れを与える原因にもなる。高性能タイヤを履いているからこそ粗い運転が許容されるという状況は、タイヤにとっても財布にとっても、そして地球環境にとっても好ましいものではない。

 クルマの流れに乗りながらスムーズに走ること。この運転の基本が、タイヤを長持ちさせる最良の方法だ。具体的には、十分な車間距離を確保してエンジンブレーキを活用し、ブレーキは早めに軽くかけ始めること。アクセルも必要以上に踏み込まず、一定速度を保つ意識を持つことが大切だ。こうした運転が燃費改善にもつながるのは言うまでもない。

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