ホンダは2026年6月4日、「シビック」をマイナーチェンジするとともに、「Honda S+ Shift」を採用したRSグレード「e:HEV RS」を追加し、6月5日より発売することを発表しました。
「Honda S+ Shift」は「プレリュード」にも搭載された新しい技術で、電気式無段変速機のハイブリッド車でありながら、まるで多段AT車のような変速感や高揚感を演出する機能。シビックといえばタイプRが象徴的な存在ですが、はたしてe:HEV RSは「タイプRじゃないけど楽しい」シビックなのでしょうか。シビックe:HEV RSから、ホンダが考える“これからの楽しさ”を探ってみました。
文:吉川賢一/写真:HONDA
【画像ギャラリー】タイプRじゃないけれど楽しい!! S+ Shiftが採用された ホンダ「シビックeHEV RS」(18枚)画像ギャラリーガソリンRSほど尖らせずに楽しさを追求
2026年6月5日、ホンダのスポーティハッチバック「シビック」に新グレード「e:HEV RS」が追加されました。シビックのスポーツモデルといえば「タイプR」の印象が強いですが、タイプRがサーキット走行まで視野に入れた高性能モデルであるのに対し、今回のe:HEV RSは日常域での運転の楽しさを磨き上げたスポーティグレード。価格は465万9600円(税込)です。
ベースとなるのは、2.0L直噴エンジンと2モーター式ハイブリッドシステムを組み合わせたシビックe:HEV。優れた燃費性能と力強い加速性能を両立したモデルとして高い評価を受けてきたシビックe:HEVですが、 RSでは、ガソリンRSほど尖らせず、家族も乗れる快適性を残しながら、「軽快かつ意のままに操る喜び」を追求したことが大きな特徴です。
その運転の楽しさの実現に大きく貢献しているのが「Honda S+Shift」です。2025年9月に24年ぶりに復活した「プレリュード」に初めて採用された技術で、モーター駆動でありながら多段変速機のようなダイレクトな駆動レスポンスと鋭いシフトフィールを再現したのが特徴。シビック専用のエンジン制御とサウンドチューニングによって、ドライバーとクルマの一体感を高める仕立てとなっています。
サスペンションは、ガソリンRSと同仕様となるRS専用サスペンションを採用しつつ、ダンパーの大径化とバルブをe:HEV RSに合わせて最適化したことで、タイプRの足回りを一部流用したガソリンRSほどスポーツ性を前面に押し出さず、日常での扱いやすさにも配慮。快適性とのバランスを重視した味付けとしています。

なぜホンダはハイブリッドに「変速感」を与えたのか
「Honda S+Shift」は、アクセル操作や車速に応じてエンジンサウンドや加減速のリズムを制御し、まるで多段AT車のような変速感を演出する技術です。
e:HEV用モーターの高精度なトルク制御を活用し、変速の瞬間に駆動力をミリ秒単位で緻密にコントロールすることで、DCTのような「加速Gの抜けと繋がり」を物理的に再現している点が大きな特徴。単にシフトアップやシフトダウン時のブリッピング音を再現するだけでなく、あえてマニュアル車のような加減速変化をドライバーに体感させることで、よりダイレクトな運転フィールを実現しています。
さらに、シビックe:HEV RSでは、スポーツ走行時だけでなく一般道をゆったり走る場面でもHonda S+Shiftの楽しさを感じられるよう、比較的穏やかなアクセル操作でも、変速感やブリッピングを積極的に体感できるセッティングとしています。コーナリング中は車両の挙動や走行状況に応じて変速制御を細かく調整するなど、日常域でも違和感なく楽しめるようつくり込まれています。
高級車の多段AT化はこれまで、「どこまでも続くような滑らかな加速」を追求する方向で進化してきましたが、Honda S+Shiftはその流れとは対照的に、あえて加速に抑揚を与えることで、ドライバーがクルマを操っている感覚を強めようとしています。電動化によって失われがちな高揚感を取り戻そうとする、ホンダらしい挑戦といえるかもしれません。




















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