短い生涯が物語るもの
カレンの歴史は、決して長くはなかった。1995年1月には特別仕様車のXSリミテッドが追加され、同年10月のマイナーチェンジでは運転席エアバッグが標準装備となり、フロントバンパーの意匠変更やテールランプのスモーク化、リヤワイパーの新設定など、商品力を高める改良が施された。同時にベーシックグレードはFSからTSへと置き換えられている。
1996年6月の一部改良では、ABSと助手席エアバッグが標準装備となり、紫外線カットガラスも採用された。この時期には、ビスタ店15周年を記念した300台限定の「TRDスポーツ」も登場し、ヘリカルLSDなどのTRDパーツを纏った特別なZSとして話題を呼んだ。
しかし1997年12月にXSツーリングセレクションが販売終了となり、1998年9月にはついに生産そのものが終了する。後継車種を持たないまま、カレンは一代限りでその役目を終えた。
セリカという強力な兄弟車の陰で、エレガンスという独自の価値を掲げて走り続けたカレン。スポーティさと上質さのあいだで揺れながらも、その短い生涯の中に多彩なグレード展開を詰め込んだ姿勢は、当時のトヨタが多様な顧客層に向けて手を尽くしていたことの証でもある。
今となっては希少な存在となったこの一台は、セリカの陰に咲いたもう一つの個性として、静かに記憶されるべきクルマだろう。
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