トヨタディーラーへ足を運び、購入したいクルマが「受注停止中です」と言われた経験を持つ人は、もはや珍しくない。現在は若干の回復傾向にあるが、それでも受注停止のクルマは数多く存在している。なぜトヨタ車は買えないのか。「人気があるから」だけでは済まされない。トヨタ車が買えない理由を考えていこう。
文:佐々木 亘/画像:トヨタ(メイン画像=Tobias Arhelger)
【画像ギャラリー】欲しいのに買えない!! いま受注停止中の人気車がズラリ ランドクルーザー300・アルファード・ハリアーなど注目モデルを一挙に(23枚)画像ギャラリー理由1…需要が生産能力を根本的に上回っている
最も根本的な原因は、注文数が製造台数を大幅に超えているという単純な事実だ。トヨタ車は国内外を問わず信頼性とリセールバリューが高く、新型モデルが登場するたびに注文が殺到する。
特にSUVとミニバンへの需要集中が顕著で、ランクルシリーズ、ハリアー、アルファードといった車種では、すでに受注済みの案件をさばくだけで工場の生産能力が限界に達してしまう。この状態では、新たな注文を受けることが物理的にできない。
ここには、トヨタが世界に誇る「ジャスト・イン・タイム生産方式」も複雑に絡んでくるだろう。
ジャスト・イン・タイム生産方式は、必要なものを必要な分だけ生産するという哲学に基づいている。在庫コストを最小化するこの方式は効率の観点では優れているが、裏を返せば「バッファ(予備・余裕)」をほとんど持たない生産体制でもある。
例えば、半導体や電子部品の供給が一部でも滞れば、たちまち生産ライン全体が止まる。コロナ禍以降に顕在化した半導体不足は、このアキレス腱を直撃した。部品供給が改善傾向にある現在も、ひとつの調達リスクが全体の生産計画を揺るがす脆弱性は完全には解消されていない。
理由2…転売と海外流出が需給を歪めた
ランクル300をはじめとする人気モデルでは、発売直後から新車価格を大きく上回る中古車価格が形成された。これに目をつけた転売目的の購入が急増し、本当に乗りたい人の手に届かないという逆転現象が起きている。
トヨタは転売禁止の誓約書を設けるなどの対策を講じたが、問題の完全解消には至っていない。さらに、国内生産台数の一部が海外向けに振り向けられることも多く、国内の供給枠が実質的に圧迫されている。
受注停止には2種類ある。「人気がありすぎて止まっている車」と「商品改良・仕様変更の切り替え待ちで止まっている車」だ。後者は、マイナーチェンジ前の現行仕様を一時受注停止し、新仕様への切り替えを待つというメーカー側の生産管理上の都合によるもの。これ自体は正当な理由だが、複数の車種が同時期にこの状態に入ると、選べる車種が一気に減ったように見える。
「トヨタ車がほとんど買えない」という印象は、このタイミングが重なったときに特に強まる。
【画像ギャラリー】欲しいのに買えない!! いま受注停止中の人気車がズラリ ランドクルーザー300・アルファード・ハリアーなど注目モデルを一挙に(23枚)画像ギャラリー理由3…受注停止→再開→殺到という悪循環
トヨタ車の受注が再開されると情報が広まり、一気に注文が集中する。するとすぐにまた受注枠が埋まり、再び停止となる。このスパイラルが、特定のモデルの受注停止を長期化させているのだ。
「再開したと聞いてすぐ連絡したのに、もう止まっていた」という声はトヨタユーザーからよく聞く声のひとつ。注文が再開されたと判断して殺到するユーザーの行動が、結果としてまた停止を招くという構造だ。


























コメント
コメントの使い方「待てない人はトヨタ買わなくていい」、で済む話では。
買えない、のではなく「待てない」の間違い。みんな同じ条件だし、妄想で叩くのはお門違い。
2/3の待ち時間で買える国産メーカーがこれほど多い、恵まれた国に居るんですから、多面的に選べばいい。
スバルにもいい車たくさんありますよ。