ネット型自動車保険の普及により、保険会社と直接契約する人が増えています。スマホやパソコンで見積もりから契約まで完結でき、保険料も比較的安いことから、「代理店って本当に必要なの?」と思う人もいるでしょう。実際、保険料だけを比較すれば、代理店を介さないネット型保険の方が有利なケースは少なくありません。それでも、多くの自動車保険契約は代理店経由で結ばれています。なぜ時代が変わっても代理店は残り続けているのか、その理由について一緒に考えていきましょう。
文:佐々木 亘/写真:ベストカーWeb編集部、Adobe Stock
【画像ギャラリー】事故時の安心を買うなら、代理店保険が最適だ! (5枚)画像ギャラリー保険料だけなら直接契約の方が有利なケースが多い
代理店不要論が出る理由は、保険料の割高と、今や保険契約手続きを自己完結できるためです。
代理店型保険は、保険会社から委託を受けて保険商品の販売や契約手続きを行い、保険会社は代理店へ手数料を支払います。一方、ネット型保険は代理店を介さないため、コスト削減が可能です。その結果、同じような補償内容で比較すると、ネット型の方が年間数千円から数万円安くなります。
また、ネット型保険は代理店型保険に比べ、契約手続きも非常に簡単です。店舗へ出向く必要もなく、24時間365日、自分の都合の良い時間に見積もりや契約変更ができるため、利便性の高さも魅力といえるでしょう。
こうした点だけを見ると、代理店は時代遅れと感じる人がいるのも無理はありません。
代理店契約が今も選ばれ続ける理由
代理店最大のメリットは、事故が起きたときに相談できる相手がいることです。
事故直後は気が動転してしまい、「相手には何を伝えればいいのか」「修理はどうすればいいのか」など、不安になる人も少なくありません。もちろん、ネット型保険でも事故受付や示談、保険金支払いは適切に行われます。
それでは、ネット型保険へ切り替えた後、代理店契約へ戻したAさんのケースを見ていきましょう。
Aさんは、保険料を抑えるためにネット型保険を選択しましたが、自転車との事故を経験したことで考え方が変わりました。ネット型保険では、いざというときに電話をかけてもつながらない、音声案内で時間がかかるなど、不安になることが多く、「何かあったときにまず相談できる相手がいる安心感は思った以上に大きかった」とのこと。次の更新では代理店型保険で契約することにしたのです。
事故後には、事故状況の説明や相手方情報の確認、修理工場の手配、必要書類の提出など、 多くの手続きが発生します。 保険会社へ問い合わせれば答えてもらえる内容ですが、契約者の中には、「こんなことまで聞いていいのだろうか」「忙しい事故担当者に細かいことを聞くのは申し訳ない」「急いで聞きたいけれど電話がつながらない」と感じる人も少なくありません。
その点、代理店であれば「ちょっと聞きたいことがあるんだけど」と気軽に連絡しやすいという声をよく耳にします。代理店が示談交渉を行うわけではありませんが、事故後の不安や疑問を相談できる身近な存在として対応してもらえるのです。
もちろん、代理店型保険がすべての人に向いているわけではありません。保険の知識があり、自分で補償内容を判断できる人であれば、ネット型保険は非常に合理的な選択肢です。保険料を抑えながら必要な補償を確保できるでしょう。
一方で、自動車保険に詳しくない人や高齢者が運転するケース、あるいは事故対応に不安を感じる人は代理店型のメリットを感じやすい傾向にあります。







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