昭和時代の乗用車のフルモデルチェンジといえば4年周期が一般的だった。古い話だが、マークII(3兄弟)はそのサイクルをほぼ守り9代目まで販売されたのだ。しかし、時代とともにその周期も崩れ、今では5〜6年は当たり前、なかには10年も継続販売する車種もある。今回は、そんなロングセラーカー2種を再考する。
文:木内一行/写真:日産、三菱自動車
【画像ギャラリー】新しさだけが正義じゃない!(12枚)画像ギャラリー「シーンを選ばず高性能を発揮するスーパースポーツ」 日産・GT-R
●欧州スーパーカーと肩を並べる性能を777万円で
GT-Rといえば、世界的な知名度を誇る国産スーパースポーツ。もともとはスカイラインのグレードのひとつで、レースで勝つことを目的に開発されたホットモデルだった。
初代は1969年にデビューしたが、その後オイルショックの影響で生産中止に(2代目ケンメリ)。そして1989年に16年ぶりに復活すると、R32、R33、R34と進化しながらファンを増やしていった。
しかし、排ガス規制への適合が難しいことから、R34は2002年8月をもって生産終了となってしまったのだ。
この事態に多くのファンが悲しんだが、それ以前より日産は次期型の開発を進めていた。そして、2001年の東京モーターショーで「GT-Rコンセプト」を出展。さらに2005年には「GT-Rプロト」を公開して注目を集めた。
正式発表となったのは2007年の東京モーターショー。車名もスカイラインの名が外され単独の「GT-R」となった。
このように、6年にもわたって我々にワクワク感や夢を与えてくれたGT-Rは、まさに日産が本気で作ったスポーツカーだ。
その核となるのがパッケージングで、FMパッケージを進化させたプレミアムミッドシップパッケージを新開発。
さらに、世界で初めてミッションやクラッチ、トランスファーを後方に配置してファイナルドライブと一体化させた独立型トランスアクスル4WDを採用。パワートレインももちろん専用設計で、3.8リッターV6ツインターボ・VR38DETTと6速デュアルクラッチトランスミッション・GR6型のマッチングとなった。
このような専用かつ最新のメカニズムにより、どんなシーンでも最高の性能を発揮できる「マルチパフォーマンス・スーパーカー」を体現。欧州のスーパーカーと肩を並べる性能を持ちながら、777万円(ベースグレード)という破格のプライスも大きな話題を呼んだ。
●進化を止めることなく歩み続けた約18年間
18年近くも生産されていただけあり、毎年のように年次改良が行われたGT-R。しかし、そのすべてを紹介するにはスペースが足りないため、重要な部分をかいつまんで紹介する。
「常に進化していくGT-R」とメーカーが標榜するなかで、2009年モデルでは早くも最高出力・最大トルクともに向上。サスペンションの適正化とともに燃料タンクの容量アップも行われた。
その後もエンジンのリファインやサスペンションの改良、内外装の変更などを重ねるとともに、サーキット走行専用のクラブトラックエディションやプレミアム感を高めた最上級のエゴイスト、ハイパフォーマンスモデルのNISMOなどがラインナップに加わった。
そして、2017年モデルで大きく進化。エクステリアは空力性能を追求したデザインとなり、インテリアは各部の形状変更とともに質感アップと操作性向上を実現。
パワートレインは、最高出力・最大トルクの向上(570ps/65.0kgf・m)とともに円滑なシフトチェンジと変速時のノイズ低減を狙った改良型6速デュアルクラッチが採用された。
また、ボディ剛性アップやサスペンションのセッティング変更なども行われ、ビッグマイナーチェンジと呼べる内容だったのだ。
2023年3月に発表された24年モデルは、GT-Rの集大成となるモデル。さらなる空力性能アップを狙いR35史上初めてリアウイングの形状を変更。それに合わせ、フロントバンパーのデザインも改められた。
また、エンジン性能を維持しながら走行時の不要なノイズや振動を低減して心地良いサウンドを実現するなど、速さだけなく快適性も高められた。
このように、一瞬たりとも進化を止めることがなかったことで、GT-Rはその価値を維持することができたのである。
2025年8月をもって生産終了し、17年10カ月という長いモデルライフに幕を下ろしたGT-Rだが、次期型の登場をファンは待ち望んでいる。














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