ホンダ シビックが6月4日にマイナーチェンジを受け、注目の新グレード「e RS」が加わった。タイプRほど尖らず、それでも普通のeでは物足りない。そんな走り好きに刺さる1台だ。カギを握るのはHonda S+Shift。ハイブリッドの走りは、ここまで楽しくなったのか?
文/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】RSらしさ全開のパドルシフトがコレ! 赤ガーニッシュやステッチもカッコいいぞ!(11枚)画像ギャラリーハイブリッドなのに“変速感”あり!! Honda S+ Shiftの狙いが面白い
シビックe RS最大のニュースは、なんといってもHonda S+ Shiftの採用だ。eは基本的にモーター駆動を軸にしたハイブリッドで、滑らかで力強い走りが身上。その一方で、スポーティに走った時の「回転が上がって、ギアがつながって、加速する」という感覚は、従来のエンジン車とは少し違うものだった。
そこにホンダが加えたのが、あえて有段変速機があるかのようなダイレクト感とシフトフィール。Honda S+ Shiftは、エンジンサウンドや駆動レスポンスを制御し、走りの盛り上がりを演出する技術だ。しかもシビック専用にチューニングされているのがミソ。単なる音の演出ではなく、ドライバーの操作とクルマの動きがつながる感覚を狙っている。
さらにe RSにはRS専用サスペンション、Dシェイプデザインのステアリングホイール、メタル製パドルシフト、レッドステッチ入りのコンビシートなどを採用。見た目だけRSではなく、運転席に座った瞬間から「ちょっと走りたいぞ」と思わせる仕立てだ。タイプRは別格として、日常域で気持ちよく走るシビックとしては、かなり濃い味付けになった。
465万9600円は安くない!! それでもe RSが刺さる理由
気になる価格は465万9600円。シビックのなかではもっとも高いノーマルモデルで、e EXの444万8400円より21万1200円高い。正直、絶対的には安くない。もはや国産ハッチバックというより、こだわりのスポーティモデルを買う感覚に近い。
ただし、内容を見ると納得感はある。2L直噴アトキンソンサイクルエンジン+2モーターハイブリッドを積み、モーター最高出力は184PS、最大トルクは315Nm。WLTCモード燃費は24.0km/Lで、走りの楽しさと燃費を両立しているのが強みだ。全長4560mm、全幅1800mm、全高1415mmというサイズも、今どきのSUVに比べれば低くワイドで、ハッチバックらしい身のこなしを期待させる。
もちろん、燃費だけならe EXの24.2km/Lがわずかに上。快適装備重視ならEXでも十分だ。しかしe RSは、移動の道具としてではなく「運転したくなるシビック」がほしい人のためのグレード。MTのRSほど硬派ではなく、e EXほど落ち着きすぎてもいない。その中間にある、かなりおいしいポジションだ。
結論として、シビックe RSは万人向けの買い得グレードではない。だが、燃費も実用性も捨てずに、毎日の通勤路や週末のワインディングを少し楽しくしたい人には、かなり刺さる。タイプRほど構えず、でも普通のハイブリッドでは終わらない。いまのシビックでいちばん“ホンダらしい悩ましさ”を持った1台だ。
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