気持ちはわからないでもないけれど……その行為が迷惑になる!!
2つ目は、景色の良い場所で突然停止するドライバーである。我々モータージャーナリストは試乗や撮影のため、全国のワインディングロードや海沿いの道、山岳道路などを走ることが多い。そこで非常によく遭遇するのがブラインドコーナーを抜けた瞬間、車線の中央で停止しているクルマだ。
富士山が見えた。海が綺麗だった。桜が満開だった。そうした景色を見て写真を撮りたくなる気持ちは理解できる。しかし、そのために道路の真ん中で急ブレーキを踏み、そのまま停車する行為は極めて危険だ。
もし後続車がいたらどうなるか。ブラインドコーナーでは停止車両を発見できる距離が限られている。最悪の場合、追突事故につながる可能性も十分ある。もちろん安全な場所へ寄せてハザードランプを点灯し、交通の妨げにならない位置へ停車するのであれば何も問題はない。
問題なのは「自分しか走っていないだろう」という思い込みだ。平日の山道で交通量が少なくても、その道路は生活道路でもあり配送車や地元の人も利用している。その一瞬だけ周囲にクルマが見えなかったからといって、自分だけの道路になるわけではない。景色を楽しむことと安全に道路を利用することは両立できる。だからこそ「止まる場所」を選ぶ意識を持ってほしいのだ。
実は頻繁に発生する!? ありえないノールック運転
3つ目は、確認をしないまま進路変更や飛び出しを行う、いわゆる「ノールック運転」である。最近特に目立つのが都内でのタクシーだ。
右側車線を走っていたタクシーが歩道に立つ乗客を見つけると、左後方を確認することなく急に車線変更し、そのまま急ブレーキで停車する。ウインカーを出したとしてもレバーを操作した瞬間にハンドルを切ってしまうタイミングでは意味がない。後続車は進路変更を予測する時間がなく、急ブレーキや急ハンドルを強いられる。
このケースは一日に二度、三度と遭遇することも珍しくなく、タクシー同士が同じ行動で接触事故を起こしていた場面も実際に目撃した。客しか見えていない。周囲の交通が視界から消えてしまっている。それでは安全運転とは言えない。
同じことが突然のUターンや脇道やコンビニからの飛び出しにも当てはまる。道を間違えた。急に店へ入りたくなった。理由は様々だろう。
しかし、それは周囲の交通を無視してよい理由にはならない。優先道路へ出る際は一時停止をし、安全確認を行う。これは免許取得時に誰もが学んでいる基本のはず。ところが、その基本が守られていない場面を数多く見かける。さらに近年気になるのが外国の交通ルールとの違いである。
グローバル時代だからこその交通理解が必要
過去に中国で運転免許を取得した経験があるが、日本との交通ルールの違いに驚かされた。例えば日本では、交差点では優先道路を走る車両が優先であり、脇道から出る側が安全確認を行って進入する。ところが、中国では先に入った車が優先という考え方が根付いている。
幹線道路へ脇道から進入する際も、日本のように脇道側が一時停止し安全確認するのではなく、脇道側は停止せずに進入し、幹線道路側が譲ることを前提としている。
追い越しでも同様だ。日本では対向車が来れば追い越しを中止するのが基本だが、中国では追い越しを始めた側を対向車が避けるという仕組み。現在は地域差や道路事情もあり一概にすべてがそうとは言えないが、日本とは異なる交通文化があることは事実だ。その感覚のまま日本で運転すれば、極めて大きな危険運転につながるのは間違いない。
外国人ドライバーが増える時代だからこそ、日本の交通ルールや運転マナーを十分理解した上で運転してもらうための教育や周知が重要になるだろう。事故は起こしてしまってからでは遅い。被害を受ける側も、起こしてしまった側も大きな代償を背負うことになる。
交通安全とは、難しい運転操作技術だけで成り立つものではない。周囲へ気を配る。進路変更では十分に確認する。止まる場所を考える。周囲の流れを意識する。こうした当たり前の積み重ねこそが安全で快適な交通社会をつくる。自分は悪くない。法律は守っているという考え方だけでは安全な運転とは言えない。
相手の立場になって考えること。それこそが、迷惑運転をなくし、事故を減らすために、すべてのドライバーが最も大切にすべき心構えではないだろうか。
【画像ギャラリー】写真と一緒に現代に必要な交通マナーをおさらい!!(11枚)画像ギャラリー














コメント
コメントの使い方