2026年1月に大幅改良されたデリカD:5は、S-AWCや8インチ液晶メーターを新採用した一方、エンジンは従来の4N14型2.2Lディーゼルを継続する。デリカD:5への搭載からすでに13年。最高出力145psという数字も控えめだが、まだ現役で通用するのか?
文/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】写真からも伝わる迫力! 19年売れ続ける異色のミニバンSUVデリカD:5の接近ショットを大公開!(11枚)画像ギャラリー欧州育ちの4N14型を2013年から搭載
4N14型の素性をたどると、もともとは欧州仕様のアウトランダーで実績を積んだクリーンディーゼルだ。デリカD:5にはミニバン用に燃費、排出ガス、動力性能を最適化し、2013年1月から搭載された。
2.2L、正確に言えば2267ccの直列4気筒DOHCターボで、燃料を精密に噴射するコモンレールシステムを採用。内径86.0mmに対して行程は97.6mmと長く、回転数を高めてパワーを稼ぐより、低回転から太いトルクを生み出す性格だ。
登場時は最高出力148ps、最大トルク360N・mで、6速ATを組み合わせていた。トルクは当時の2.4Lガソリン車の約1.6倍。多人数乗車やキャンプ道具を満載するデリカD:5には、最高出力よりも低速の粘りが効く。
ただし、現在の4N14型を「2013年から何も変わっていないエンジン」と見るのは早計だ。
2019年に主要部品の約5割を改良!
大きな転機は2019年の大幅改良だ。フリクション低減、燃焼室の変更、次世代燃料インジェクターの採用など、主要機構部品の約5割に手が入った。排ガス浄化には尿素SCRシステムを三菱車で初採用し、AdBlueを使ってNOxを浄化する方式へ進化している。
最高出力は145psとわずかに下がったが、最大トルクは380N・mへ5%向上。ワイドかつクロスレシオ化された8速ATとの組み合わせにより、約2tの車体を低速から滑らかに押し出す。現在の圧縮比は14.4、最大トルクの発生回転数は2000rpmだ。
2026年型でも最高出力145ps、最大トルク380N・m、WLTCモード燃費12.9km/Lは従来どおり。電動化された最新ミニバンと比べれば、燃費や静粛性、加速の滑らかさで設計年次を感じる部分はある。短距離中心ではディーゼルの利点も生かしにくい。
それでも、荷物を積んで高速道路や登坂路を長く走る使い方では、太いトルクと8速ATが頼もしい。新開発しても劇的な燃費向上が難しいなら、熟成したエンジンを継続し、S-AWCや安全装備へ開発費を振り向ける判断には筋が通る。
4N14型は新しくはない。しかし、2019年に中身を大幅刷新し、デリカD:5の用途に合う力を今も備える。古いから残ったのではなく、代える決定打がないほどキャラクターに合ったエンジンなのだ。
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