2.2トン超に163PS 高速道路ではアクセルを踏む時間が増えた
――ガソリン車の走りはどう感じますか。
「街中をゆっくり走るぶんには困りません。発進も滑らかです。ただ、合流や上り坂で加速しようとすると、思ったよりアクセルを踏まないといけない。ギアが下がり、エンジン音が『ウォーン』と大きくなるのに、体感ではスピードがあとから付いてくる感じです」
ガソリンVXは、車両重量2240kgの車体に最高出力163PS、最大トルク246Nmの2.7L自然吸気エンジンと6速ATを組み合わせる。公式のWLTCモード燃費は7.5km/L。数値からも、軽快さや燃費を第一にした乗用SUVとはそもそもの狙いが違う。そこに文句を言われても、と思ってしまうのだが……。
「高速で100km/hを保つこと自体は問題ありません。でも、追い越しや登りでサッと速度を乗せる軽快感はない。ハリアーやRAV4の延長で考えていた私の期待とは違いました。横風の日には車の大きさと高さも意識します。長距離を走ると、以前より疲れる感覚があります」
――燃費はいかがですか。
「メーター表示でだいたい6km/L台です。近所の送迎や買い物が多いと6km/Lを切ることもある。80Lタンクなので、給油すると金額が大きい。買う前から燃費がよくないことは知っていましたが、数字で知ることと、毎月払うことは別でした」
「買値以上」を期待したリセール 提示されたのは540万円台

購入から約1年半。Aさんが売却を意識したのは、点検の待ち時間にディーラーに置いてある展示車を眺めていた時だった。
「ディーラーから帰って軽い気持ちで下取り業者に査定額を聞いたら、512万円と言われたんです。『ランクルなのに?』と思いました。それで本当に低いのか確かめたくなって、別の日に買取店を3社回りました。提示されたのは526万円、539万円、548万円。一番高くても540万円台後半でした。
もちろん普通のクルマなら十分高いのでしょうが、私は600万円台半ば、うまくいけば買った時と同じくらいを期待していました」
Aさんが支払った総額は約625万円。最高査定額の548万円との差は約77万円になる。購入から約1年半、1万7000kmを走ったクルマとして考えれば、決して低すぎる査定ではない。むしろ、2024年発売時の車両本体価格545万円と比べれば、値落ちはほとんどない計算だ。
それでもAさんが「思っていたより低い」と感じたのは、車両本体価格ではなく、税金や登録費用、コーティング、用品まで含めて支払った625万円を基準にしていたからだ。さらに購入当時、周囲から「ランクルなら買値以上で売れることもある」と繰り返し聞き、その例外的なケースを自分にも当てはめていた。
「『リセールがいい』を、私は『損をしない』と勝手に変換していました。車両本体に対して何%残るかと、自分が払った総額との差は別なんですよね。ローンの利息もガソリン代もあります。買った瞬間から値上がりする金融商品みたいに考えたのが間違いでした」
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