EVやハイブリッド車を購入する際の判断材料となる税制優遇。令和8年度税制改正でグリーン化特例は2年延長されたが、その一方でEVには2028年から新たな課税方式の導入が決まっている。制度の現在地と今後の変化を整理していこう。
文:佐々木 亘/画像:トヨタ・ホンダ・日産
【画像ギャラリー】こんなEVなら乗ってみたいぞ!! ホンダ「スーパーワン」の個性派デザインとコクピットを一挙に(19枚)画像ギャラリーグリーン化特例は2028年3月末まで延長
令和8年度税制改正により、2026年3月末が期限だったグリーン化特例は、さらに2年間延長されて令和10年(2028年)3月31日まで適用されることが決定した。これにより、新車登録の翌年度分の自動車税・軽自動車税が燃費性能に応じて軽減される仕組みが、当面は継続することになる。
EV・PHV・ハイブリッド車などは翌年度の自動車税が最大75%軽減される一方、登録から13年超のガソリン車・LPG車は約15%、軽自動車は約20%の増税(重課)が発生するのだ。環境性能の高いクルマを優遇し、古いクルマには重課を課すという、アメとムチの両輪で成り立っている制度である。
ただし注意すべきは、この軽減はあくまで新車登録の「翌年度1年分だけ」という点。翌々年度以降は通常の税率に戻るため、「ずっと安いまま」と誤解して購入計画を立てると、実際の維持費と見込みがずれてしまう。
環境性能割は2026年3月末で廃止
グリーン化特例と混同されやすいのが「環境性能割」だ。これは新車購入時に一度だけ課税される取得税の後継的な制度で、燃費性能に応じて税率が変動する仕組みだった。米国の関税措置が日本の自動車産業に及ぼす影響を緩和し、自動車取得時の負担軽減を図る目的から、自動車税環境性能割および軽自動車税環境性能割は令和8年3月31日をもって廃止されることが決まっている。
また、車両重量に応じて課税される自動車重量税の減免措置「エコカー減税」についても動きがあった。排出ガス性能と燃費性能の優れた環境負荷の小さな自動車に対する自動車重量税の免税等の特例措置は、燃費性能要件を引き上げたうえで2年延長される。
対象範囲が広がるわけではなく、むしろ基準が厳格化されることで、これまで減税対象だった一部の車種が対象外になる可能性がある点には注意が必要だ。制度が延長されたからといって、恩恵を受けられる車種の幅まで維持されるとは限らない。
【画像ギャラリー】こんなEVなら乗ってみたいぞ!! ホンダ「スーパーワン」の個性派デザインとコクピットを一挙に(19枚)画像ギャラリー2028年、EVの課税方式が根本から変わる
今回の税制改正で最も注目すべきは、短期的な延長措置の裏で進む、EVに対する課税方式の抜本的な見直しだ。これまで一律で1,000cc以下のガソリン車相当という最も安い区分とされてきたEVの自動車税について、令和10年(2028年)以降に新車新規登録される車両を対象に、排気量の代わりに車両重量に応じた課税方式を導入する方針が示された。
その狙いは、EVはガソリン車より車体が重く道路への負荷が大きいこと、そしてガソリン税を負担していないことのバランスを考慮した、走行段階での負担を求める仕組みへの転換にある。
税率の詳細は今後の改正で決まる見通しだが、「EV以外の自動車の現行税率と同程度」の負担を求める方針が示されており、これまでEVが享受してきた自動車税面での圧倒的な優位性は、確実に縮小していく方向にあることにも注目しておきたい。
さらに2028年5月1日以降の車検からは、EVやPHEVに対して重量税に一定額を上乗せする「特例加算」の導入も方針として示されている。これも同様に、EVが道路に与える負荷とガソリン税を負担していないことのバランスを取るための措置とされているものだ。






















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