日本人の好きな角ばったデザインの権化
日本でGクラスがもてはやされるのは、もともと日本人が角ばったデザインを好むことも無関係ではないだろう。
最近では流麗なデザインのSUVが大半になってきたが、ジムニーやジープのラングラーも日本では特異な売れ方をしているし、ランクル系もずっと人気が高い。その究極的な姿といえるGクラスが人気を博するのは不思議なことではない。
それでいて嫌味がない。というのは、プレミアムブランドのセダンやスポーツカーというのは、縁のない人たちにとっては少なからず嫉妬心を生むもの。
ところがGクラスは、高価とはいえあまりそうした感情をいだかれることがないような気がする、という微妙なニュアンスをご理解いただけるだろうか…。
非日常性により弱点もネガにならず
もちろんGクラスの本質的な魅力は、軍用車をルーツとすることをヒシヒシと感じさせる作り込みつくりにある。実際、悪路走破性が相当ものであることはいうまでもなし。それは筆者も実際に体験している。
ただし、日本でGクラスを愛用するオーナーの多くが、実は悪路走行が未経験だと聞く。とはいえ、それは宝の持ち腐れではなく、いざとなればどんな道でも走れること自体、Gクラスの価値であり魅力である。
ひいては、並みのSUVとは一線を画する高い着座位置と目線や、目の前に切り立つウィンドスクリーンをはじめ、すべて平板で垂直に近い角度とされたガラスウィンドウから見える風景は、ほかにはない独特の雰囲気。
そんな非日常性を日常的に味わえるのもGクラスらではの持ち味である。
気になる点としては、ボディサイズはそれほど大きくないものの、小回りがきかないことが挙げられる。現行型はだいぶ改善されたのだが、従来型はかなりキツかった。
それでも都市部で愛用している人は大勢いるのだから、オーナーにとってはそれほど大きな問題ではないようで、むしろ角ばっていて見切りがよくて助かるという声もある。
Gクラスはこれからも基本を大きく変えることなく存在しつづけることだろう。
そして変わらない期間が長くなるほど、ますますその存在は特別なものになっていくことに違いない。
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