活況を呈する中古車市場だが、購入時に意外と見落としやすいのがタイヤの状態。前オーナーがいつ交換したのか、わからないケースも多い。スリップサインが出るほど摩耗していれば交換が必要なのは当然として、残り溝以外にもチェックしておくべきポイントを解説する。
文:デグナー12(Team Gori)/写真:写真AC
■外側だけでなく内側も確認! 偏摩耗に要注意
まず確認したいのが、トレッド面の偏摩耗。空気圧が不足した状態で走り続けたタイヤは、中央部分よりも両端のショルダー部分が摩耗しやすい。一方、空気圧が高すぎると中央部分の摩耗が進みやすくなるが、筆者がこれまでクルマ関連の仕事をしてきた中で見る限り、多くの場合が空気圧不足で使用されている。
特に注意したいのが、外側から見ただけではわからない内側の摩耗だ。外側には十分な溝が残っていても、内側はすでにスリップサインが露出していることがある。可能であれば、ハンドルを左右に切るなどして、タイヤの内側まで確認したい。
また、内側と外側で摩耗量に極端な差がある場合は、ホイールアライメントが狂っている可能性も考えられる。偏摩耗を放置するとタイヤの寿命を縮めるだけでなく、操縦安定性や燃費にも影響するため、購入後に専門店などで点検してもらうのがおすすめだ。
■製造年だけで判断せず、ひび割れの深さを見る
タイヤの側面には製造時期を示す数字が刻印されている。一般的に下4桁のうち、前半の2桁が製造週、後半の2桁が製造年を表す。例えば「1324」であれば、2024年の第13週に製造されたタイヤを指す。タイヤは使用年数が長くなるにつれてゴムが劣化し、製造から3年程度を過ぎるとひび割れが目立ち始める。
表面に細かなひびが多少見られる程度なら、直ちに交換が必要とは限らない。しかし、側面全体にひび割れが広がっている場合や、亀裂が内部のコードなど構造部分に達している場合は危険なため、交換が必須となる。状態によっては車検に通らない可能性もある。
タイヤには劣化を抑える物質が配合されており、走行時の変形によって表面へ染み出す仕組み。そのため、走行頻度が少ないクルマでも劣化が進むことがある。「溝がたっぷり残っている=状態がいい」とは限らないのだ。
■4本の銘柄が違う理由も確認しよう
タイヤは4本または2本ずつの交換が一般的。しかし、中古車にはタイヤの銘柄が揃っていない車両もある。サイズが適合していれば、銘柄違いでも大きな問題はないが、1本だけ銘柄が違う場合や新しい場合は、パンクなどで急遽交換した可能性がある。適切に交換されていれば問題ないが、パンクしたまま移動した車両はホイールに変形や損傷が生じていることも。
クルマの駆動方式にもよるが、クルマの左右でタイヤの銘柄や摩耗状態は揃っている方が駆動部分への負担は少ない。購入前後にはホイールの傷や変形に加え、走行中の振動がないかも確認し、必要に応じてホイールバランスを点検してもらおう。
中古車購入時、試乗が難しい場合もあれば、少し乗っただけではクルマのコンディションがわかりにくい場合も多い。タイヤはクルマの状態を映す鏡と思って、残り溝だけでなく、摩耗の仕方、ひび割れ、4本の組み合わせまで見ることが大切だ。そして、中古車購入時だけでなく秋の大型連休も控えている今だからこそ愛車のタイヤの状態に目を向けてほしい。
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