ついやってしまいがち!! 同乗者を酔わせない運転3つのポイント

ついやってしまいがち!! 同乗者を酔わせない運転3つのポイント

 ようやく「県境をまたぐ移動」も制限が徐々に解除となり、ご家族やご友人と「ドライブ行くぞー!」と計画中のかたも多いのではないでしょうか。せっかくのドライブですから、車酔いなどせずに、楽しく過ごしたいもの。

 車酔いは、酔いやすい体質の方もなかにはいますが、よっぽどひどい方でなければ、運転方法である程度回避することができます。

 本記事では、同乗者の車酔いを防ぐ運転操作のポイントを、クルマの基本動作である「走る・曲がる・止まる」をコントロールする「アクセル・ハンドル・ブレーキ」の3操作に分けてご紹介するとともに、さらに運転上級者を目指す方へのトレーニング方法も、あわせてご紹介します。

文:吉川賢一/写真:Adobe Stock


車酔いは「体感情報」と「視覚情報」のズレが原因

 車酔いは、頭の中にある「三半規管内のリンパ液が揺れ続けている状態」と、「目から入ってくる情報(車内の止まっている様子や窓から見える景色)」にズレが生じることが原因で発生する、といわれています。

 特に、上下の揺れで酔いやすいのは、三半規管のすぐ傍にある、「耳石器(じせきき)」という速度や重力(加速度)を感知する器官からの情報と、目から脳に送られる情報とのズレによって混乱が生じるためです。クルマが走行中に、車内で本やスマホを見ていて、「目の前の本は揺れていないのに、頭は上下や左右に揺すられる」状況になるとすぐに酔ってしまうのは、これが理由です。

 運転手とは違い、「なされるがまま」頭が揺すられる同乗者のほうが、車酔いを起こしやすいです。同乗者を酔わせない運転操作としてよく耳にするのは、「急がつく操作をしない」ですが、ここではもう少し具体的に説明をします。

運転手のちょっとした運転の気遣いで、同乗者を酔いにくくすることもできる

ブレーキは止まる瞬間に「ちょっと抜く」

 いわゆる「カックンブレーキ」になりやすいドライバーは、ブレーキペダルの踏み方が荒いか、前方をぼんやりと見ていることが多いようです。前走車がいるシーンならば、前の前のクルマの動きまでよく見て、前のクルマの動きを予見できるとスムーズに減速ができます。

 また、自車が先頭にいて信号機や交差点で減速するシーンでは、クルマが止まる瞬間にブレーキを踏む力を「ちょっと抜く」だけでも、同乗者の頭が「ガクン」となることを減らせます。

 さらに運転スキルを磨きたい方は、減速をし始めてから停車するまで、減速の加速度を一定にすることにチャレンジしてみてください。これが出来れば、ブレーキングに自信をもっていいでしょう。

 意外と難しく、ブレーキペダルの踏力を、わずかに調節する足技が必要です。自動車メーカーのテストドライバーでも苦労をする足技です。

同乗者は、ハンドルを握っている運転手よりも、体の振られが大きい

アクセルは「足の親指でコントロール」

 車酔いを引き起こすアクセル操作、というと、アクセルペダルの操作が荒くて速度が乱高下すること、が真っ先に浮かびますが、実はもうひとつ、アクセル操作が原因となるものがあります。それは「車速が速いこと」です。

 例えば、上下方向のふわつきは、同じ道でも、車速が高いほどに大きくなります。また左右方向も、車速が10%高いと1.2倍、20%高いと1.45倍、30%高いと1.69倍と、速度の2乗で大きくなります。普段は60㎞/hで走っているコーナーを、20%ほど速い72km/hにしただけで、身体が受ける左右加速度は1.45倍です。

 このように、速度が上がるほど揺れが大きくなりやすく、同乗者が、道路のうねりやギャップを超えるたびに、ゆすられることになります。同乗者を酔わせたくなければ、アクセルペダルの操作を丁寧にするのと同時に「速度を出しすぎないこと」にも、配慮する必要があります。

 さらに運転スキルを磨きたい方は、車速変動を起こさないよう、スピードコントロールをする方法をトレーニングしてみてください。一般道や高速道路の平たん路であっても、道はわずかに傾斜していたり、緩やかに曲がっていることが多く、アクセルペダルを踏む強さを変えなくても車速が徐々に変動していくのは、皆さん経験されていることと思います。

 この微妙なスピードをコントロールするためのテクニックとしては、足首に力を入れるのではなく、靴の中の足の親指のわずかな力のかけ具合で、アクセルペダル操作を補うことです。1ミリにも満たない幅で、踏みこむ量をコントロールできれば、クルマはまるで新幹線のようになめらかに進む乗り物となり、同乗者は酔いにくくなります。

運転が旨い=まるで新幹線のように、クルマの動きが滑らかで、安心していられる運転

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