■パワーウィンドウのイタズラ対策は環境作りから考え直すべき
車内をリビングのように考える人が多くなった。それは、それだけ便利で広くて快適だからで、軽自動車でも室内が広々としているクルマも珍しくなくなった現在、あちこちに収納が設けられ、至れり尽くせりの装備を誇るクルマが多い。そんな車内なのだから、じっとしていられない子供がイタズラをしてしまうのは、仕方のないことという見方もできる。
筆者の遠い過去の記憶を引きずり出させてもらうなら、あれは小学校2、3年生の頃のことだ。製麺業(うどんや蕎麦、中華麺を製造する工場)を営んでいた祖父の家には、初代トヨタ「コロナマークII」があった。当時はかなりの高級車だったことから、ドア内張にはパワーウィンドウスイッチが備わっていた。
筆者はスイッチを上下させるだけでサイドウィンドウがスムーズに開閉される現象に、非常に魅せられたものだ。こうしたギミックとも言える装備が、子供たちの興味を引かない訳がないのである。
走行中の停車中に存分に操作させて、興味を半減させることも有効な手段だ。あるいは「止まっている時だけ操作していい」という様なルール作りをするのも有効だろう。特例を作らないことも大事だ。
そもそもチャイルドシートにキチンと座っていれば、パワーウィンドウに挟み込まれる事故は起こりにくい。
「ドライバーが操作して子供など同乗者の手指などを挟み込んでしまうなんて、操作前に確認すれば起こらないハズ」。そう思うドライバーも少なくないだろう。
確かにその通りなのだが、日常的に家族を乗せて運転していると、そうした安全確認がおろそかになってしまうことも多い。これが油断なのだが、そうした油断を気にも留めないドライバーになると、子供がチャイルドシートに座らず後席にベルトも締めず座っていたり、ドア内張に沿って立っていたり、あるいは運転席の後ろや側面に立ったりしても、「まぁいいか」と許してしまうのだ。
それが交通事故時に子供だけ車外放出されて亡くなってしまったり、パワーウィンドウによる挟み込み事故につながる最初の原因であることに気付いて欲しい。本当にお子さんが大事なら、手間を惜しまずルールを徹底させるべきなのだ。
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