■スマートキーが動作不能、あるいはキー閉じ込みしたらどうする?
見た目はリモコンにしか見えないスマートキーでも、実は非常時のために従来のメカニカルキー(従来の金属製のキー、エマージェンシーキーとも呼ばれる)が内蔵されている。それを使って解錠すれば、ドアだけは開けることができるのだが、車種によってはデザイン性や防犯性のために、鍵穴を隠しているクルマもある。
クルマがバッテリー上がりを起こしてしまうと、ドアのアンロックができなくなるため、ボンネットを開けてのバッテリー交換もできなくなる。そのためバッテリー上がりでも、セーフティローダーなどでディーラーにクルマを運んで対応するケースもあると聞いている。最近のクルマは、メカニカルキーがなければ解錠はディーラーでも対応できない(ディーラーから鍵屋に外注として依頼する)のだ。
JAFではテクニカルセンターで鍵穴の場所や解錠の方法を情報として共有しており、ロックスミス(錠前屋)用に開発された特殊な道具も用意して、解錠のために備えているそうだ。ピッキングは犯罪に使われる行為でもあるが、本来はキー閉じ込みなどオーナーが困った時に活用される技術なのである。
メカニカルキーでドアを解錠できたら、スマートキーをエンジンのスタート/ストップボタンに近付ける。こうすることで電力が弱っていても送受信が可能になり、エンジンを始動することができるようになっている(車種により異なる場合あり)。
万が一の備えとしては、鍵穴の場所を調べておく(取り扱い説明書を参照)ことと、予備の電池をグローブボックスに入れておくことだ。そうすれば、電池切れでスマートキーが使えなくなった時にはメカニカルキーでドアを解錠して、電池を交換することにより再び使えるようになる。
最近のスバル車は暗証番号を登録しておけば、ドアノブの操作で入力して解錠できるようだが、それも取り扱い説明書を読んで熟知していなければ、イザと言う時には使えないだろう。
これからスマートキーはますます進化して、スマホと一体化するようになる、と言われている。そうなったらスマホが故障したらドアが開かない、エンジンが掛からない、なんて事態に陥ることも有り得る。便利さだけを享受せず、万一のハプニングに備えておくようにしたいものだ。
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