新型レヴォーグvsカローラツーリング ここが推し!対決やいかに!? 

■スポーティなレヴォーグ おとなしいけど肩ひじ張らないカローラツーリング

 エンジンはレヴォーグが水平対向4気筒1.8Lターボを搭載する。カローラツーリングは、1.8Lのノーマルタイプとハイブリッド、そして6速MTと組み合わせる1.2Lターボだ。

 レヴォーグの1.8Lターボは、動力性能がノーマルエンジンに換算すると3Lに匹敵する。加速感は、今日のターボとしては2000~3500回転付近で過給器の性格が少し強い。ドライバーのアクセル操作以上に、加速力が高まる印象がある。先代型の1.6Lターボは、2.5L相当の動力性能だが、加速感は自然吸気のノーマルエンジンに近かった。

スバルグローバルプラットフォーム(SGP)を採用した新型レヴォーグ。搭載する1.8Lターボエンジンは完全新設計となっている
スバルグローバルプラットフォーム(SGP)を採用した新型レヴォーグ。搭載する1.8Lターボエンジンは完全新設計となっている

 つまり新型レヴォーグのターボは、先代型の1.6Lよりも少し古典的だ。この点を開発者に尋ねると「新型では運転する楽しさも考慮して、ターボの特性をある程度まで感じ取れるようにした」という。車両重量は1550~1580kgと重いが、動力性能には十分な余裕がある。

 カローラツーリングの1.8Lノーマルエンジンは、実用回転域の駆動力に余裕があって運転しやすい。1400~1500回転付近で粘りがあり、4000回転を超えた領域の吹き上がりも活発だ。

 1.2Lターボも扱いやすいが、1400回転以下では駆動力の低下が目立つ。2500回転付近を超えると加速力も活発になるが、5000回転を超えると伸び悩む。6速MT専用のエンジンにするなら、1.8Lの自然吸気を高回転指向にチューニングした方が楽しめそうだ。

プラットフォームはプリウスから採用されたTNGAを採用。「ドライバーが予測できる動きにクルマの挙動を制御する」という考え方のもとシャシーチューニングが施されている
プラットフォームはプリウスから採用されたTNGAを採用。「ドライバーが予測できる動きにクルマの挙動を制御する」という考え方のもとシャシーチューニングが施されている

 本来なら1.2Lターボを運転のしやすさと低燃費を両立させるエンジンとして磨き上げ、CVTにも組み合わせるべきだろう。それがコスト低減のためにターボを装着しない1.8Lを搭載した結果、役割分担が変わった。

 ハイブリッドはプリウスと同じタイプだ。アクセルペダルを深く踏み込んだ時の加速性能は1.8Lと大差ないが、巡航中に緩く加速する時の反応は異なる。モーターは瞬発力が強く、素早く滑らかに速度を高めるからだ。この時の余裕は2Lエンジンに近い。

 以上のようにレヴォーグとカローラツーリングでは、エンジンの種類と性格が異なる。レヴォーグはターボの特性を感じさせ、動力性能も高く、スポーティな印象が強い。カローラツーリングのノーマルエンジンは、動力性能は大人しいが、運転感覚は自然だ。ハイブリッドは静粛性が優れ、滑らかに走る。

 走行安定性は、レヴォーグがエンジン性能と同じくスポーティな印象を強めた。従来はステアリングホイールを回し始めた時の反応を少し穏やかに設定していたが、新型は小さな舵角から正確に反応する。カーブを曲がる時には、後輪をしっかりと安定させ、なおかつ旋回軌跡も拡大させにくい。

 STIスポーツにはショックアブソーバーの可変機能も備わり、「GT」や「GT-H」に比べると、車両を内側に向ける傾向が強い。カーブを曲がっている時にアクセルペダルを戻すと、後輪を緩やかに横滑りさせて小さく回り込む。基本性能を高めて、奥の深い運転感覚を身に付けた。

 カローラツーリングは、スポーティに走ると旋回軌跡を拡大させるが、後輪の接地性が高く初心者ドライバーも含めて安心できる。カローラの性格に合った設定だ。

 乗り心地は、レヴォーグの場合、時速50km以下の低速域では少し硬いが、それ以上の速度域ではしなやかになる。大きめの段差を乗り越えた時の突き上げ感も抑えた。高速道路向けではあるが、おおむね快適だ。

 カローラツーリングの乗り心地は、17インチタイヤ装着車は少し硬いが、16インチの「S」は柔軟で走行安定性とのバランスも取れている。レヴォーグほどの重厚感はないが快適だ。

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