■開発陣の考えていた!? スバルがターボ回帰を果たしたワケ
開発陣にとって、5代目のエンジンをどうするか非常に悩ましい問題だったと思うが、ターボをやめる判断をくだし、かわりに先進的なe-BOXERを組み合わせるとともに、2.0L自然吸気を2.5Lに拡大するとともに、同じエンジンを積むレガシィ系よりもスペックを高めたうえで搭載した。
しかも、両者の位置づけの上下関係をつくらず、7万円という小さな価格差とすることで、ユーザーに本当にどちらが好みかで選んでもらえるようにした。それもあって件のe-BOXERの販売比率を3割程度と見込んでいところ、4割に達したという。
乗り比べるとまったく別のクルマといえるほど性格は違って、速さでいうとパーシャルの中間加速はe-BOXERに分があるが、0-100km/h加速のような状況では2.5Lのほうが上回るという関係だった。
ただし、どちらも動力性能にはものたりなさを覚えたのは否めず。フォレスターがこれでよいのかと感じずにいられなかったのが正直なところだ。ターボがなくなったことは案の定、スバル内の販売関連の部署からもとやかくいわれたそうで、むろんユーザーからも同様の声が聞かれたことは想像に難くない。
現行フォレスターの発売当初、筆者も開発関係者に率直な思いを伝えたところ、今後についてはユーザーの要望に応えるのはもちろん、そのほかの選択肢も含め、いろいろ検討している旨を述べていた。その時点でも、このCB18型 1.8Lの直噴ターボエンジンの開発がどこまで進んでいたのかはわからないが、おそらくすでに搭載を視野に入れていたはずで、その後もさまざまな声を耳にして、内心では今回のことを少しでも早く実現したいと思っていたに違いない。
この新開発のCB18型 1.8L直噴ターボエンジンは、リーンバーンの採用をはじめ、さらなるフリクションの低減や燃焼効率の向上を図るなど、どちらかというと重視したのはあくまでエフィシェンシー=効率だと開発関係者は述べていた。
とはいえ、そもそもレヴォーグの1.6Lモデルで聞かれた動力性能への不満の声に応えることが開発の起点にあり、パフォーマンス=性能もそれなりに追求しているのはいうまでもない。すでにプロトタイプに試乗したレヴォーグでは好感触を得ているが、フォレスターとの組み合わせも楽しみだ。
■主要諸元
・全長:4625mm
・全幅:1815mm
・全高:1715m(X-BREAKは1730mm)
・ホイールベース:2670mm
〈Touring、X-BREAK、Advance〉
・エンジン:水平対向4気筒DOHC直噴
・排気量:1995cc
・最高出力:145ps/6000rpm
・最大トルク:188Nm/4000rpm
・WLTCモード燃費:14.0km/L
・モーター出力:13.6ps/65Nm
〈SPORT〉
・エンジン:水平対向4気筒DOHC直噴ターボ”DIT”
・排気量:1795cc
・最高出力:177ps/5200~5600rpm
・最大トルク:300Nm/1600~3600rpm
・WLTCモード燃費:13.6km/L
■車両価格
・Touring:291万5000円
・X-BREAK:305万8000円
・Advance:315万7000円
・SPORT:328万9000円
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