GT-R、ハリアーらがマイナーチェンジでちゃっかり値上げしてた!?


  「最近の車は高い!」。たしかに、十数年前に比べて国産車は高くなったように感じる。

 ただ、実際に調べてみると「フルモデルチェンジで大幅値上げをした」事例は意外に少なく、増税や装備の充実化などが絡んでいる場合も多い。

 それより「マイナーチェンジなどで知らぬ間に値上げしていた車」のほうが多いと語るのは自動車評論家の渡辺陽一郎氏だ。

 本記事では、そんな「ちゃっかり値上げしていた」例を紹介したい。

文:渡辺陽一郎/写真:編集部、NISSAN


割高感強い値上げは“売れ筋以外”の車

2017年9月に新型となったN-BOX。価格は131万円〜で、消費税8%導入時の旧型価格は127万円〜。装備差を考えれば事実上値段は据え置かれている
2017年9月に新型となったN-BOX。価格は131万円〜で、消費税8%導入時の旧型価格は127万円〜。装備差を考えれば、事実上値段は据え置かれている

 最近の新型車は安全装備を充実させ、燃費も向上させねばならず、車両の価格も押し上げられてしまう。いっぽうで車の売れ行きは低調だ。2017年の販売総数は1990年比で65%前後にとどまる。

 メーカーや販売会社の対応(コストアップに応じて値上げするか、販売低迷に対抗すべく価格を据え置くか)は、カテゴリーに応じて異なる。

 売れ筋となる軽自動車/コンパクトカー/背の高いミニバン/一部のSUVは、価格をめぐる競争も激しく、値上げするのが難しい。そのために安全装備を進化させながら、価格を据え置きにする車種が多い。

 このなかで軽自動車は、今では売れ筋の価格帯が130〜150万円になり、価格が上昇傾向にあると受け取られる。

 しかし、それ以上に安全装備、内装の質感、シートアレンジの使い勝手などが向上してきた。従って機能や装備と価格のバランス、買い得度で判断すれば、一概に割高になったとはいえない。

 以上のように昨今は、あからさまに値上げする車種は減ったが、売れ筋のカテゴリーに収まらない場合は便乗値上げも見られる。高価格のスポーツクーペや豪華なSUVでは、販売台数が伸び悩む。

 そうなると1台当たりの粗利を増やしたい。ライバル車同士の競争がほとんど行われず、ユーザーが価格にこだわらない事情もあって「ちゃっかり値上げ」をするわけだ。

日産 GT-Rは10年で約250万円値上げ

2018年モデルのGT-R。最安グレードのピュアエディションが1000万円を突破したのは発売以来初
2018年モデルのGT-R。最安グレードが1000万円を突破したのは発売以来初

 「値上げの王様」と呼べるのがGT-Rだ。2007年の発売時点ではカーナビなどを標準装着した上で777万円だったが、以下のようにマイナーチェンジで値上げされていった。

  • ■GT-R(標準仕様/ピュアエディション)の値上げ推移
  • ・2007年:777万円
  • ・2008年:861万円
  • ・2010年:869万4000円(この時にグレード名をピュアエディションに変更)
  • ・2012年:875万7000円
  • ・2013年:905万1000円
  • ・2014年:947万7000円(※消費税8%導入後初の改良)
  • ・2016年:996万840円
  • ・2017年:1023万840円

 マイナーチェンジを繰り返す途中で、消費税率が5%から8%に高まる変更はあったものの、2007年に発売された初代の777万円と現行型(2018年モデル)の1023万840円を比べると、10年間で246万840円値上げされた。比率に換算すると13%だ。

 基本的な装備を変えずに、ロードスターやエクストレイルの価格に匹敵する金額の値上げを行ったから、初期モデルと現行型では買い得感が大幅に異なる。

 メカニズムが凝っているから今でも高性能車として割高ではないが、10年前に感じた超絶的な買い得感とインパクトは薄れてしまった。

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